Sound lover 合格通知 いつもと変わらないような天気の朝。 しかし、今日はちょっとだけいつもと違った。 「音ちゃ〜ん、合格通知が届いたわよ〜〜!!」 「!?今、行く!!」 那音は慌ててベッドから飛び起き声の主である琴羽の元に向かった。 普段のように那音がゆっくりと寝ていたところからすると、今日が合格通知がくる日だということを忘れていたようだ。 那音が琴羽のところへ着くと、今か今かと封筒を握りしめている琴羽がいた。受験を受けた那音より待ち遠しいようだ。 「早く早く、開けてみて!」 「うん!!」 那音は恐る恐る封筒を受け取り、封を開けて中に入っている紙を出した。 合格でありますように! 那音が折り畳んである紙を開き目にしたものは、 〈合格〉 「や、やったよお母さん!ぼ、僕合格した!!」 「きゃぁああああ〜〜!!おめでとう、音ちゃん!! あ、パパにも連絡しなきゃ。携帯、携帯っと。 もしもし、あなた?音ちゃんが桜音学園に合格したわよ!!うんうん、あら今コンサートの練習中だったの?でも、聞きたかったんでしょ?〜。」 琴羽は、那音の父親である章との電話となると長電話になるのだ。 「あぁ、お母さんの長電話が始まる...。」 那音にとってはいつものことなのでそこまで苦ではないらしい。 [*前へ][次へ#] [戻る] |