魔王様の腕の中
仕事部屋にて
今僕たちは豪華な扉の前に立ってます。
もちろんヴァルの仕事部屋の扉です。
「ほ、本当に入るんですか?」
「あぁ。」
トン、トン
あわわ、本当にノックを。
「どなたですか?」
聞こえてきた声はヴァルではなく、レインさんだった。
「狼族の長、コーバゼスだ。
魔王に用がある。」
「今、ですか?」
「あぁ、おち・・・ミオのことについてだ。」
「ミオ様の?
入ってください。」
許可が無事におりたようで、僕たちは部屋に入っていく。
コーバさんの後ろからひょこっと顔を出すと、丁度顔を上げたヴァルと目があった。
「ミオ?どうしたんだ?
コーバゼス、何故貴様ミオと一緒にいるんだっ。」
「まぁ、いろいろあってな。
厄介なことになったぞ。おちびがサーペンテに目ぇつけられた。」
「なに?サーペンテだと?
あのショタコンにか?!」
「あぁ。今回は俺が運よく通りかかったからいいものの、あの様子じゃあまたちょっかいかけてくると思うぞ。
で、だ。魔王、ミオの傍にいてやれ。
いいだろう、執事。」
「確かに、サーペンテ様が相手となると大変ですね。
わかりました、ミオ様をヴァルファリム様が仕事中も傍に置いておくことにしましょう。ただし、さぼらないでくださいね、ヴァルファリム様。」
「あぁ、ちゃんとやる。
ミオ、こっちにこい。」
ヴァルはさっそく僕を手招きしている。
行っていいのか不安になり僕はレインさんをみる。レインさんは僕をみて、微笑んだ。
きっと行っていいってことだよね。
僕は駆け足でヴァルに近づいた。
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