魔王様の腕の中
*
「可愛イネ。
ちまっとしていて、愛でてあげたイヨ。」
『・・・近づかないで。』
ケルベロスが威嚇し始める。
「ふふフ、さぁこっちにオイデ。」
サーペンテさんと目が合うと、自分の意思じゃないのに体が動き始めた。
目をそらそうにも体がいうことをきかない。
『『ミオ様!』』』
二匹がこちらに向けて走ってきている気配はするけど、それより先に僕はサーペンテさんのところに着いてしまった。
「さぁ、愛でて「何してやがる、サーペンテ。」・・なんだイ、コーバゼスじゃないカ。何って見ての通りサ。」
「コーバさん!」
「あ?おちびじゃねえか。
てめぇ、まさかおちびを弄るつもりだったのか?」
「いけないカイ?
だってこんなに愛らしいんだヨ?
いかにも遊んでくれと言っているようじゃナイカ。」
「このショタコン。
だがな、そいつは魔王のだからちょっかいかけねぇ方がいいぜ。」
「この子がこの間魔王が言ってた人間カ。はァ、せっかく遊べると思ったノニ。
しょうがナイ、今日は諦めるとシヨウカ。
ミオ・・だっけカ。今度ゆっくりお茶でもシヨウネ。」
サーペンテさんは名残惜しそうに僕の頬をひと撫でし、立ち去っていった。
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