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魔王様の腕の中

レイン視点





「大丈夫でしたか?」

「レイン様、助かりました。
ありがとうございます。」

「いえいえ。
ただ、私はああいった輩が大嫌いなだけですから。」


劣っているのに自分が一番だと思っている自己中的な人は大嫌いなんです。
あぁ、ヴァルファリム様は違いますよ。
あの方は魔力も容姿も権力も全てがトップクラスですからね。



「さて、ミオ様のところに戻りましょうか。
あぁ、先ほどミオ様はチャームローズを気に入っていたようですのでいくつか摘んでおいてください。」

「畏まりました。」



庭師が返事をし、さっそく作業に移ったのを確認するとミオのもとへと戻っていった。

ミオは先ほどの騒ぎなどまったく聞こえていなかったのかぐっすり寝ていた。
だがオルトロスは起きていた。



『久々だねぇ、レイン様がキレてるの。』

「ふふ、ちょっとうるさい虫が居たものですから。

『黒いよ〜、レイン様。
でも確かにあれは五月蝿かったよ。』

「色々と対策をとるべきですかね。」

『必要ですよ〜。
だってあんなのが毎度くるなら私たち耐えらんないです。
あぁ、ハニーのお昼寝の邪魔したらぶっ殺しますけどね〜。』

「ふふふ、物騒ですね。
まぁ、ヴァルファリム様に相談することにします。」

『そうしてください。』

「さて、私はヴァルファリム様がさぼっていないか見にいってきます。
ミオ様のこと、頼みますね。」

『了〜解〜。』


オルトロスは足の代わりに尻尾をゆさゆさと揺らして肯定を表した。




 

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