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魔王様の腕の中

レイン視点




「ふふ、可愛らしい寝顔ですね。」



レインが澪の寝顔を見ていると、ふと薔薇園の入り口付近が騒がしくなった。
目を凝らして見てみるとそこには庭師と見たことのある女がいた。


「はぁ、厄介な相手が来ましたね。」




「お、お待ちください、ナータ様。
ここは只今入れるなとレイン様に・・・」

「何よ!私は"あの方"の婚約者なのよ?!
レインよりも私の方が権力があるわ!」

「し、しかしっ」

「一体なんの騒ぎですか?」

「レ、レイン様。」

「丁度よいところに、レイン。
この庭師が私を薔薇園に入れないようにしてるのです。レインが入れないようにとおっしゃったと嘘を申しているのです。
はぁ、私はヴァルファリム様の婚約者なのに。」

「あぁ。そのことですか。
確かに私が頼んだことです。今、薔薇園には番犬とヴァルファリム様の大切な方がお昼寝をしていらっしゃいますので、邪魔をされないようにと。」

「大切な方?誰ですそれは!?
会わせなさい!」

「貴女には教えられません。
それに貴女はいつからヴァルファリム様の婚約者になられたのですか?貴女はヴァルファリム様のお見合い相手の一人にすぎません。
この薔薇園でお休みになられている方は、ヴァルファリム様が認めた唯一の人です。貴女ごときが会える相手ではないのです。

早急にお帰りください。」



レインは少し殺気をこめてそう言った。



「つっ、
貴女のことをお父様に言いつけてやるわっ!
たかが執事ごとき、私のお父様なら簡単にやめさせられるわっ!」

「どうぞ、
おっしゃってください。」

「っ、見ていらっしゃいっ!」



ただ、貴方の父親ごときが私を辞めさせられませんけどね。
あそこの家はもう終わりでしょう。
私の家を敵にまわすのですから。





 

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