[携帯モード] [URL送信]

魔王様の腕の中
彼の嫌いなモノ




「嫌いなもの?
う〜ん、怖いのとか暗い所に1人でいることかな。
ねぇ、ヴァル嫌いなものは?」

「俺か?
俺はレインの説教だな。」

「ヴァルらしいな。」




そんな話をしていると、本当にレインさんが来てしまった。
あれだね噂をすればなんとやらだね。



「ヴァルファリム様、今日のお仕事はもう終わりになられたのですか?」

「終わってない。
だがな、これには事情がっ。」

「言い訳なんか聞きたくありません。
まったく、貴方は魔王だということを自覚していらっしゃるのですか?」


長々と話しそうなレインを見て、さすがにヴァルが可哀想になってきた。


もとはといえば僕のせいだし、



「レインさん、ヴァルを怒らないで!」


レインさんの腕に僕はしがみつく。
そんな僕を二人はびっくりしたような顔で見つめてきた。


「ミオ様?」

「ミオ?」

「ぼ、僕がジー虫が恐くてヴァルを呼んだの。だから、だから、ヴァルを怒んないで!」



ぎゅぅっと抱きついていると、レインさんがため息をついた。



「しょうがありませんね。今回はミオ様に免じて許してさしあげます。
ただし、これから急いで今日分の仕事を終わしてくださいね。」

「あぁ、わかった。
レイン、ちょっと外にいろ。」

「はい。」


レインさんが部屋を出ていくと、ヴァルに抱き締められた。



「ありがとうな、ミオ。」

「もともと僕がヴァルを呼んだのがいけなかったんだからいいの。
お仕事頑張ってね。」

「あぁ、頑張ってくる。」




ちゅ、



一瞬の隙にヴァルにほっぺにキスされた。


そしてそのままヴァルは部屋を出ていった。




 

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!