[携帯モード] [URL送信]

魔王様の腕の中
僕の嫌いなモノ










「っ、っ〜〜〜!
ヴ、ヴァル〜〜〜!!!」





僕は目の前に現れたそれを見て、思わずヴァルを呼んだ。




「どうした、ミオ!」



思いっ切り音をたてて開いたドア。
僕が叫んで僅か三秒でヴァルがやってきた。



「あ、あれ・・・っ。
なんとかしてっ」




僕はヴァルの胸に顔を埋め問題のモノを指差した。




「あれって、ジー虫のことか?」

「名前は知らないけどそう!
あれ、僕の世界にも似たのがいたんだよ。
カサカサ動いて飛ぶし、とにかく見るのも嫌っ。」



そう、黒光りしているゴがつく虫だ。名前を呼ぶのも無理。
しかもこの世界の普通のよりなんかでかいんだけど。
そのわりに動きは俊敏。



「今、消すから待ってろ。
"燃えよ、炎よ"」



すると、ボッと背後で音がして、虫のキーキーと喚く断末魔が聞こえた。






「よし、大丈夫だぞミオ。」

「あ、ありがとヴァル。」



後ろを振りかえってみると、先ほどまでいたモノはいなくなっていた。




「ミオはジー虫が嫌いなんだな。」

「う、大っ嫌い。
なんであんなのがいるわけ。本当に無理。」

「他に嫌いなものはあるのか?
あぁ、立ったままだと疲れるから座ろう。」



ヴァルにそのまま促され、ベッドに座った。






 

[次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!