紅葉狩り * 「はぁ、もう無理。 まだ3日だけなのに疲れが半端ない。」 「あぁ。俺もきつい。」 「「はぁ。」」 揃えたつもりはないのだが、二人とも同時にため息をついた。 いつも通りのルートなのにいつもより足が進まない。いや、進ませたくないのだろう。 見回りが終われば風紀委員室に帰らなければならない。イコールまた転校生と会わなければ行けない。 このまま自室に帰っていいかなと蓮斗は思い始めていた。 ゆっくりゆっくり歩いて、生徒会室前を通りすぎようとしたとき、扉が突然開き司にあたった。 「ぐっ」 「司君!?」 いつもの司ならきっと避けれているだろう、だが今日は運悪く疲れていた。 そんな司は受け身をうまくとれず、頭を打って気絶していた。 「ん?蓮斗とスイじゃねぇか。 って大丈夫か?」 「司君、大丈夫ですか! しっかりしてくださいっ!」 その蓮斗の声は生徒会室の中まで聞こえていたらしく、副会長が扉の前に立っていた会長を押し退け司に駆け寄った。 「司、司! 会長、貴方司に何てことをっ。 私の司がっ!」 「副会長、まずは司を安静な場所に。それに人が集まります。」 「そうだね。とりあえずソファーで休ませよう。紅葉君、君も一緒に入っていいよ。 会長はそれを先生に届けて来てくださいね?」 黒い笑みで会長を見送った副会長はすぐさま司を抱えて生徒会室に入った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |