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2008お正月/銀時









『さぁ、第○○回、紅白歌合戦、いよいよ終盤です!!』

『続いては、紅組で、返り咲きの新人アイドル、寺門通さん!!“お前の母ちゃん何人?”です!!どうぞ!』




『お通ちゃーーーん!!!』

『新八うるさいアル』

『お通ちゃーーーん!!!』

『オィ、ダメガネ』

『お通ちゃーーーん!!!』

『アイドルの追っかけやってて、何が楽しいアルか?』

『お通ちゃーーーん!!!』

『新ちゃん、机の上に乗るもんじゃありません。』

『お通ちゃーーーーーん!!!!』

『だめネ、何言っても聞こえてないネ』

『ほっとけよ、今だけは。常にツッコミキャラの新八が唯一ツッコまれキャラになれる時なんだから』







今日は大晦日。
新八君の実家の道場で、大晦日恒例の紅白歌合戦をみんなでコタツに入って見ていた。



「はーい!!ちょっと早いけど、年越しそばだよー」

『うまそーアル!!』

『エビフライまで手作りじゃねえか!!すげぇな!!』

『あら、言ってくれたら手伝ったのに…』

「いや…ぇと…大丈夫だったですよ!!ハイ!!」

『そう?ありがとね』

「お妙さんにお礼言われちゃったら、なんか嬉しいです!!」

『うふふ、可愛いわぁ!!私もこんな妹が欲しかったわ!!』

「あはは」






みんなで平和な普通の時間を過ごしていた。

紅白も終わった11:45。
いきなりお妙さんが立ち上がった。



『さぁ新ちゃんッ!!肝試し…じゃなくて、ぇーっと…初詣に行くわよ!!』

『今からですか!?もうちょっとゆっくりしま…』

『行くっつってんだろうが』

『…はい…』

『姉御ォォ!私もついて行くネ!!』

『…というわけで、初詣に行くことになったから、2人はお留守番してて下さいね?』

「へ?あ…うん…」

『お妙さぁん!!そんな人がいっぱいいる所に行くなんて、危ないですよ!!だから俺が、ボディガ『なんでお前がここにいるんだァァァ!?新年早々ゴリラの顔なんて見たくねーよ!!』



チーン






的な空気になって、みんな初詣に行ってしまった。

残ったのは、あたしと銀ちゃんだけ。

…ちなみに付き合って3年目のカップルだったりする。



「みんな行っちゃったねー」

『んー』



正直、最近じゃ、トキメキがない。

なんか同棲始めた今年の春頃まではまだよかったけど、最近は、てんでだめ。

いつだか、あの死んだ魚の目の言い訳に“いざって時はキラめくから”とか言ってたけど、キラめいたところなんて、ここ半年見てないよ。


別に嫌いになったわけじゃないけど。


ただ、ちょっと、物足りないかなー…って。

わがままなのかな、あたし。








『なぁ』

「ん?」

『年越しそば、おかわりねぇの?』

「あるけど…そんなにおいしかった?」

『お前が作った料理は、他のヤツの2倍以上は食べないと、気が済まないの!!』



ほら。こんな一言も嬉しい。
でも、言われ慣れたっていうか…



とりあえず、そばのおかわりをもってきた。

暇なので、テレビを変える。



「あ!!反侍!!」

『どうした?』

「GOEMONたちの、カウントダウンライブ中継があってる!!やっばカッコいい〜ッ!!」

『お前、コイツの事スキだったっけ?』

「うん☆けっこうファンだよ!!いっつもCD買ったの見せてるじゃん!!」

『…そうだっけ』

「ちょっ!!静かにして!!今から歌うじゃん!!聞こえない!!」



最近出した、極上のバラードなの!!

サビなんて、簡単に歌えちゃうし!



「ただ〜♪好きな気持ちだーけーで♪」



あたしがテレビに合わせて歌を口ずさんでいた、その時。

いきなりテレビが消された。



「ちょっ、なんで消すの!?リモコン、貸して!!」



そう言いながら、リモコンを左手に持つ銀ちゃんに近付いた。

すると、空いている右手で体を引っ張られて、銀ちゃんの上に馬乗り状態になってしまった。



「ぇーっと…何?」

『お前こそ何なわけ?』

「ちょっと…顔近…///」



銀ちゃんが喋る度に、あたしの顔に息がかかる。



『なんで俺以外の男見てんの?』

「ファンとして好きなだけ」

『俺と話すことより、あいつらの歌聞く方が優先なワケ?』

「違うけど?」

『だって今、そうだったじゃねぇか』

「何?嫉妬?」



3年付き合ってて、何回か喧嘩したことはあったけど、嫉妬した銀ちゃんははじめてだった。



『…ぅゎ、俺だせぇ///』

「よく言うよ。自分だって、毎日毎日“結野アナ〜”って言ってるくせにさッ」



あたしだって、いっつも不安なのに…



『ヤキモチ?』

「だったら?」

『…ヤバい。そそるわ』

「はっ!?どこが!?」

『お前の全部。可愛いすぎー』

「それはどうもありがとう」

『そんだけェェ!?銀さん泣いちゃうよっ!?』

「嘘☆…悔しいくらい大好きだコノヤロー!!」

『知ってますー♪俺以外の男なんて、見てんなよ?』

「銀ちゃんも、あたし以外の女、見ないでよ?」

『……(汗)』

「イヤ、そこはうなずこーよ!!」

『俺も大好き♪』



ちゅっ♪



「ん…話そらしてる」

『あ…年越してるわ…』



ふと時計を見てみたら、12:07。



「え!?うわ…なんかマヌケ…」

『ま、いいんじゃね?』

「ま、いいかもね?」



変わりばえはないけれど、
こんな毎日もいいかなー…なんて。

思わせてくれる銀ちゃんが大好きだコノヤロー!!








(銀さん、なんかしてますかね…?)

(私たちがいなかったら、きっとピーしてるネ!!)

(…そうだといいんだけど)






あきゅろす。
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