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ギャグマンガ日和に転生しますた


 閻魔大王に連れられて来たのは、モニターがたくさんあるところだった。

 あんなに審判部屋はアナログなのに、なんでここだけちょっとデジタルなんだ、と少し思った。

 閻魔大王は、モニター群の前にある台の、ランダムと書かれた赤いボタンを押した。

 ピピピ、と軽い音が鳴って、色んな時代、色んな場所、色んな世界の画面が発光する。

「これで決まった所に転生してもらうから。ちなみに、顔とかはゴリラのまんまだったら可哀想だから、特別にその世界に合った顔にしてあげるよ」

 うおっ、ウィンクしてきやがったこの大王! ちょっとキモッ!

 心の中で引いていると、いつのまにか世界が決まっていた。

「お。よかったね、比較的平和な世界だ」

 発光している画面の中には、色んな色の重たそうな和服を着た人達。その中に、ジャージの人物が二人くらい……って。

「これ……もしかして、飛鳥時代ですか?」

「正解! なんでわかったの? エスパー?」

 だってあれ、聖徳太子と小野妹子じゃんか。

 ジャージ着てるギャグマンガ日和の登場人物と言えば、この人らだろ。ジャージの色とか袖の丈もそのままだし……あ、聖徳太子どっか行った。

 画面を見ていると、今度は画面じゃなく、俺の体が発光し始めた。

「えっ、なにこれ」

「大丈夫、転生する前触れだよ。あ、そうそう。転生した先で死んだら、またここに来てね。そん時はちゃんと審判してあげるから」

 もちろん、悪いことしたら地獄だから気を付けてねー。

 やけににこやかに手を振る閻魔大王に、俺も少しだけ手を振りかえした。





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