ギャグマンガ日和に転生しますた ツルがつるっと滑った 「くらえ! 超必殺飛鳥文化アタック!」 「なんの! 湯飲みマッスルアタック!」 「ぎゃああ! なんで湯飲み持ってんのぉぉ!?」 大声で叫び回りながら、湯飲みやら自身を投げる奴ら。血やら残ったお茶が飛び散らせ、何が楽しいのやら。 まあ、ギャグマンガ日和ごっこが面白いのは分かるけれど……実際にやるのは危険だろう。 つーか飛鳥文化アタックとかどうやってんだ、あいつ。あれやるために骨どこやったんだよ。 「帰るか……」 今まで書き込んでいたノートを閉じ、かばんに詰め込んで、扉に向かう。 扉を開けると、もわっとした暑い空気が体を包み込む。……暑い。 にじみ出す汗を短い袖で拭って、歩き出した。 もうすぐ夏休みという、そんな夏の日。蝉がじぃじぃと騒ぐ中で、俺は一人、下校していた。 [次へ#] [戻る] |