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ブレイクデイズ 〜壊された日常〜
復讐編 その2
ブレイクデイズ
〜壊された日常〜
「復讐編」
第2話 娯楽




 いつものように部活を終えて、部員と共に帰路についている。周りからの視線がかなり気になる。何故なら大富豪に負けてしまった俺はうさみみメイドの格好
にされている。本当にこんな罰ゲームを実行に移すなんて・・・・。もちろん部活のメンツからは笑いが止まらない。俺って一体何やってんだろう。
桜花「あっはははは。もう健太のその格好ったらないわもう!!」
夏樹「健太さん。周りから見たら明らかに変人ですよ〜。」
健太「わかってた上で何でこんな格好させるんだよ!? まわりのみんなから勘違いされたらどうすんだ!!!」
絢香「それはそれでいい思い出だと思いますよ。」
健太「んなんで、納得すんじゃねえ!」
直人「まあゲームのルールくらいはちゃんと守ってもらわないとな。 明日のお前の友達の反応が楽しみだな。」
健太「冷静に分析するな!!」
この格好でしばらく歩き続けて、絢香と夏樹、桜花と別れた。しかし、ここは一応日本の首都の東京で人がたくさんいる場所なのだ。それなのに男がこんな格好
をしていれば目立つに決まってるしミスって警察に知られたらどうする気なのか。その後は直人一緒に帰る。家の方向は同じだが直人の方が若干距離がある。
こんな格好で気まずいながらも俺達はしゃべっていた。
直人「まあ罰ゲームとはいえこんな格好させて悪かったな。」
健太「お前が素直に謝るなんて珍しいな。」
直人「さすがにみんなを楽しませるといって、お前の心に傷をつけたようなきがしてな。それで一応謝っておこうって思ったんだよ。」
健太「そうか。まあお前がそこまで言ってくれるとは正直思わなかった。素直に
謝ってくれたから許してやるよ。」
直人「ありがとな。」
こちらがわからあいつの表情は見えなかった。こんなふうに恥ずかしい言葉を言うときにいつもそっぽを向いているからこいつの顔は見れないんだ。まああの謝
りようじゃすこしは反省してたってことだな。ようやく俺と直人の分岐点にまで差し掛かった。右に行けば俺の家につく。左に行ってさらに先に進むと直人の家
がある。いつものように別れの挨拶をする。
直人「じゃあ、またあしたな。」
健太「ああ。またな。」
直人が見えなくなったことを確認して急いで自分の家に向かう。何しろこんな格好を脱ぎたかったからだ。家についてドアを開け、親に見られないようにして自
分の部屋に急いだ。ドアをしめてクローゼットをあけて自分の部屋着に着替える。着替え終わると、今まで心のどこかにあった羞恥心が消えていた。とりあえず
親には見られていないな。何か食べたいと思ってキッチンへ行き、ちょうどヨーグルトがあったので食べることにした。ラベルを外しながらテーブルに行きテレ
ビをつける。この時間帯はニュースがほとんどなのでつまらない。だが、世の中のことをすこしは知らないと恥だと思ってニュースを見ているわけだ。埼玉県の
春日部市のとある中学校で殺人事件が起きたとのことだ。詳しく言うと、とある男子生徒がクラス全体でいじめられるという環境であった。そしてその男子生徒
は今まで事にたいして復讐するためにいじめを引き起こした本人を殺したとのことだ。それからというものそのいじめっ子のボスに取り巻く連中を次々と殺して
いったという。犯行動機は今までのことにたいして仕返しのつもりで人を殺したが、それが快感になってしまったと本人は供述している。俺はこのニュースに何だか不思議さを感じた。はっきりとは言えないが、自分との関連性を見出だしたような気がした。こんな考えをしていると、家のドアが開いたような音がした。おそらく母さんが帰ってきたのだろう。手にビニール袋をたくさんもち、それをテーブルのうえにおく。買い物の帰りのようだ。
健太「おかえり。」
「ただいま。こんなところで何してるの?」
健太「今テレビみてたんだよ。中学生が同級生を大量殺人したんだってさ。」
「あら、ずいぶん怖い話ね。世の中は何が起こるかわからないものね。健太も気をつけなさいよ。」
健太「わかってるよ。さすがに人を殺すような真似はしないよ。」



翌日、いつものように自転車をこいで学校に向かう。日の光がビルなどに反射して余計に光を際立たせ、5月に吹くそよ風が気持ちいい。学校に到着していつも
のように教室へと向かう。俺の仲間達がすでに来ていて、俺もその会話の中に混ざった。
健太「ういっす! 何の話してんの!?」
友近「お、健太か。今さ昨日やってたドラマの話をしてんだよ。」
横を見ると、珍しく直人がこの集団に混ざって話をしていたのだ。
健太「っていうか珍しいな。直人は朝いつも本を読んでるのに。」
直人「俺にだってこういう会話をするときもある。昨日みたドラマのを見たかと聞かれて会話に入ったんだよ。」
健太「そうか。じゃあ話の続きだ。」
昨日やっていたドラマ『最後の恋愛』について話していた。ある日男と女は偶然にも街角ですれ違い、一目惚れになってしまう。二人はその後交際を続けていっ
たが、女性は不治の病に侵されてしまうバッドエンドが予想出来そうなドラマだ。この小説は若者の間で有名らしく、直人も読んだことがあるそうなのだ。昨日
はちょうど第1話の放送だった。
直人「俺はあの小説は気に入っている。文章表現がかなり詳細になっていて場面を想像しやすいからな。」友近「俺は本もあまり読まないし、想像力もないから
あんな感じで映像化してくれたほうがいいけどな。」健太「俺も同感だよ。活字慣れしてないから本を読む度に眠くなるし。」
直人「ったく、今時本を読まないなんて珍しいな。」こんなことを話しているうちにホームルームの時間となり、みんなは席につく。先生が入ってきて連絡事項
を伝えた。どうやら来週の月曜日に予防接種があるらしいのだ。今は5月なのになんで予防接種をするんだと疑問はありながらも話を聞き流す。重要な連絡はそ
れ以外になく、あっという間に終わってしまった。そうして今日もいつものように授業を受けた。



放課後になり、いつもの部活の活動場所に集まる。今日はみんなは揃うのが早く部活が早く始められた。話を切り出したのはいつものように直人だった。
直人「さて、みんなに明日の連絡を伝えるぞ。」
桜花「伝えるもなにも明日は土曜日で学校は休みのはずでしょう?」
直人「桜花はあまいな。一応これは部活だぞ。休みの日にだって活動をする。」
夏樹「でも、具体的にどんなことをするんですか〜?」
かわいい微笑みをしながら直人はそれに返答をする。直人「明日、我々は山に登るぞ。」
絢香「ええ〜!!山登り!?」
健太「なんかやってることが無茶苦茶な気がするんだが・・・・。だって、俺達は放課後にこうやって集まってゲームしてるだけだぜ?!」
直人「ふっ、みんなは甘いな。ただ山登りをするだけじゃつまらないだろ。そこでだ。山登りをして頂上についたら、そこでゲームを開始する。具体的な内容は
明日になってから話す。」
桜花「なんかすごい大胆な行動にでたわね。」
健太「山って言ったってどの山に登るんだよ?」
絢香「確かに。ここは新宿で都市の中心部よ。山に行くんだったら東京都の郊外に行く必要があるわ。」
直人「それについては心配いらない。すでに目的地は決まってるからな。とりあえず明日、新宿駅に9時集合だ。覚えておくように。」
なんだかすごい成り行きがしたのは俺だけだろうか。でも、たまには外での活動も悪くはない。こうやって部屋にこもるだけではなくて外出して気分を晴らすの
もまたありだろう。まあ直人のことだからなんか色々考えてんだろ。明日の活動を聞いたところで今日の活動に移ることにした。
直人は後ろのロッカーからカードを取り出した。そのカード達は大きく分けて4色に分けられている。これはみんなが知っているUNOだ。同じ色や同じカード
があるものを手札から捨てていき、最終的に手札を0にした者が勝ちというものである。修学旅行や研修会などでよく持っていって遊んだものだ。
桜花「今日はUNOなのね。」
夏樹「これならなんだか勝てる気がします。」
絢香「意外とシンプルなゲームだけどなめてかかると痛い目見るわよ!」
健太「昨日はあんな調子だったが、今日は負けねえぞ!!」
直人「よし、じゃあ始めるぞ。」




ゲームは無事に終了した。今回は1番こそにはなれなかったが、罰ゲームだけはなんとか回避できた。そして今回の1番は直人だった。あらゆる攻撃の手をどう
にかして跳ね返してくる。それのおかげで今回1位になれたのだ。そして今回の最下位は桜花だった。順調にペースを崩さずに攻めていったはずなのだが、俺達
は攻撃をかわしてなおかつ返り討ちにしてやったことが多く、最後まで1番手札をもつはめになってしまったのだ。
桜花「ああ〜。今日は最下位なんてショックだわ・・・・・。」
絢香「今日は直人さん、運がよかったですね。」
直人「まあな。最初の手札もよかったし、なんといっても桜花の攻めを全部返してやったからな。」
健太「ふう。今日はなんとか罰ゲームを回避できてよかったぜ。」
夏樹「そうですね〜。健太さんの事は私たちのクラスで話題になってましたから。」
絢香「そういえばそうね。私たちのクラスのほとんどが今日の話題になってたわ。男子でメイドの格好をしているのを見かけたってね。」
健太「うわあああああ!!! これじゃあそのうちクラスのみんなに話題が行き渡るの確定じゃねえか!!!!」
こんな俺を無視して話は先へと進んでいた。夏樹が今日の1番のご褒美はなんですかと尋ねると、直人はロッカーにあった箱をこっちに持ってきた。中を開けて
みると、そこには白いクリームでコーティングされた苺のショートケーキがあった。見るかぎりおいしそうだ。
夏樹「ショートケーキだ!! 私食べたかったな〜。」
直人「というわけで、この桜花特製のショートケーキは俺が有り難く頂くことにしよう。さて問題は桜花の罰ゲームだが・・・・。」
そう言って直人は席から立ち上がって衣装などをしまうロッカールームの前にたった。そしてその中から取
り出されたのはメイド服だった。だが、俺の着せられた物よりデザインが派手でおまけに猫耳がついている。こんなの着て歩いていたら恥をかくのは当たり前だ。本当に今日は罰ゲームにならなくてよかった〜。
直人「さて桜花にはこのメイドの服を着てもらうよ。それで今日の帰路で俺達部
員の命令には何でも聞いてもらわなけばならない。」桜花「ええーーーーーーー
ー!!」
直人の考えてる事は時々よくわからない。見た目はクールなあいつがこんな格好をさせたがるなんてすごい意外である。まあ桜花をメイドにさせておまけにご奉
仕三昧も悪くはないと思った。
直人「というわけでよろしく。それから俺らが言葉を言った後にははいご主人様と必ず言うこと。わかったな。」
桜花「・・・・・はい。ご主人様。」
直人「あははははははは!!!」
絢香「直人さんって案外Sなんですね。」
健太「直人は元々Sだが、ああいう一面を持っていることが俺にとっては意外だったけどな。」
こうして桜花をメイドの格好にさせて帰りの支度をした。







次回へ続く



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