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小説(運命の道 God Children)
運命の道 God children 第4話
運命の道 God Children
第4話 闇に染まる優馬


俺は学校にいる。今日も退屈な授業があると思うと嫌になる。ここは教室だから
暖かいものの、外はやっぱり寒い。俺は夏純と話している。
「まったく今日の時間割はなんだよ! 五教科が勢揃いしてるし。」
「本当だよね〜。この時間割を見ていると、広辞苑で壊したくなるね。」
だからなんでそこで広辞苑なわけ!? そんなに広辞苑に思い入れがあるのか?そ
んなとき、輝月が教室に入ってきた。今日は普通に男性服のようだ。
「優馬と夏純おはよう。」「ああ。あれ?今日は男性制服なんだ。」
「何言ってんだ?俺はいつも男性制服を着てるだろう。」
「そこでボケんな!!」
「まったく二人とも朝から元気だね。おれは広辞苑の続きでも読むかな。」
まったくこの二人には毎回あきれるよ。輝月が言う。「まあ、しょうがないだろ
う。お前は最初からそのポジションなんだからさ。」「ポジションってなんだよ
!! 俺がまるで突っ込みのためにしか生きてないみたいな言い方だな!」
「ちがうのか?」
「変な言い方するな!!」朝からこんなに喉が疲れるとは思わなかった。いつも
のような毎日は昨日の演劇部の活動をみてひっくり返されたからな〜。チャイム
がなる。そのチャイムとともに一同は着席をする。まったく授業さえなければ学
校はいいのに。そんなときガリスが俺に言う。
「授業がいやなのか?」
「ああ。こんな物好きなやつなんかいるわけないだろう。」
「授業受けるのがいやなら、俺が時を進めてやろうか?」
「はあっ!!!?」
「時を進めれば、授業をうけなくてすむぜ。」
俺は正直、迷う。授業をうけなくて楽なのはいいが、授業を受けないのはちょっ
とまずい気がする。
「(じゃあやってくれ・・・。)」
「(わかった)」
ガリスは心の中で呪文のようなものを言っている。
「我が神の子、ガリスの何おいて、時を進めたまえ!!」
俺の背中が熱い。この感覚は羽が生えた時の感覚だ。まずい、こんな所で羽なん
かだしたら、パニックになっちまう。俺は羽をだすのを堪える。しかし、ガリス
は止めようとしない。
「大丈夫だ! この羽は誰にも見えねぇよ!!!」
その羽は光に染まっている。結構輝いているのに、誰も気づかない。やっぱりこ
の力はいい。光輝くあいだに、終わった。ふと時計を確認してみる。時間はもう3
時だ。本当に時間が進んだようだ。なんだこの感覚は。授業でやった内容が頭に
入っている。これってすごいぜ。一言ガリスにお礼を言う。
「ガリス、ありがと!」
「ああ。気にするなよ。」今日は金曜日だ。学校が終わったことで、明日は休み
だ。あとは部活を終えるだけだ。
「優馬〜。部活に行こうぜ。」
と夏純が言ってくる。俺は普通にウンと相槌をうつ。輝月はまたどっかに行った
ようだ。大方、また衣装でも変えているんだろうと思った。俺達はダッシュで階
段を駆け降りて行く。そして、急いで神立会館に急ぐ。そして扉をあけ、部活の
行われているドアを開けた。
そして入ってすぐあいさつをする。
優馬&夏純「こんにちは!!」
ドアが開くとすでにそこには真子の姿があった。こっちをみて挨拶をする。
真子「ういっすー!」
机の上に置いてあるのは勉強道具といつも飲んでいるあのコーヒー牛乳だ。って
いうかあなたここにいていいんですか!! 夏純は真子に尋ねる。
夏純「そういえばみんなはまだなんですか?」
真子「みたいだね。」
まったくこんな状況で焦ってないあんたがすごいよ。っていうかそんなマイペー
スな真子さんがうらやましいくらいだ。 俺は机の上にかばんを置き、適当に室内
を歩きはじめる。
室内には暖房が完備されており、暖かい。おまけに冷蔵庫まであり、何か冷やし
ておきたいものがあれば、冷やすことができるので、とても便利だ。他にも賞状
なども飾られており、かなり昔からこの部活は優秀な成績をおさめているようだ
。おれは椅子にすわった。その時、後ろのドアが開き、そこからは輝月が現れた

輝月「こんにちは。」
出てきたのは女の子の格好をした輝月だった。まったくなんだかわかんないぜ。
優馬「またそんな格好してんのか?よく先生に言われないな。」
輝月「まあ、先生のコネ使っているからね。」
優馬「一体どういうコネだよ!!! だいたい趣味でそんな格好するなんて変なや
つだ。」
輝月「何を言うのよ! この格好はね、私の芸術なのよ。」
優馬「だからって喋り方は変えなくたっていいだろう!」
輝月「さあて、こいつは放っておいて・・・。」
優馬「って無視すんな!!!」
こんなツッコミをまたしてしまった。何でこいつらのテンションに乗ってしまうんだ
ろう。まったく不思議なくらいだ。俺はみんながくるのを座って待つ。そうする
と扉が開き、誰かがきた。このおどおどした感じは悠だ。悠は入ってきてあいさ
つをする。
悠「みなさん、こんにちは。」
真子「お、きたね〜。」
輝月「よう!。まったくあいかわらずね。」
悠「輝月さん、今日は女の子なんですね。」
輝月「まあ、そんな感じかな。」
夏純「まったく悠はくるのが遅いな! そんな悠に広辞苑アタックだな。」
悠「ええ〜。ひどいですょ〜。」
優馬「(こいつら悠ちゃんを遊び道具としか思ってねぇ!!)」
こんなやり取りのなか1年生3人が入ってきた。
遼介&瑞紀&浩志「こんにちは。」
俺は振り返ってあいさつをするが、一人誰だかわからない。誰だこの男の子は?
おれは念のため言ってみた。
優馬「君はひょっとして新入部員かい?」
その男の子はすこし笑って俺にこう言う。
「やだな〜先輩。僕が誰だかわからないんですか?」待てよ。こんな展開前にも
あったよな?絶対にしたはずだ。これって誰かがまた変身してるとでも言うのか
? だとしてもそいつは誰だ? 遼介に尋ねるとあきれた顔で答える。
遼介「先輩。こいつは瑞紀っすよ。」
優馬「まじで!!?」
そんな、あんなかわいい巫女姿をしていた瑞紀が男だったとは驚くだろ。
優馬「男なのになんであんな格好してるんだよ!? 本当に頭ありえないだろ!!

遼介「しょうがないな。浩志、事情を説明してやれ。」
浩志「なんで、俺が?」
浩志の姿は前のようにコスプレはしていないが、声色はアニメ声になっている。
まったく状況をわきまえろよ。遼介は淡々と答える。遼介「めんどいからだ。」
浩志「そんな理由でやるか!」
遼介「もう、うるさいな。とにかく事情はお前が説明しろよ。俺は寝る。」
ってかまた寝るのかよ! 本当に常に寝てるな。部活に来る意味があるのだろうか
と思う。ようやく浩志が説明を始めた。
浩志「まあ、説明するとだな、あいつの家は神社なんだ。それで女の子を産まな
きゃいけないはずが、男の子を産んでしまって、それ以来瑞紀は女の子として育
てられた。そして次期巫女になるんですよ。」
優馬「そんな理由があったとはな・・・。」
瑞紀はようやく自分から話しはじめる。
瑞紀「 そういうわけなんです。僕が女の子として育てられたのは、仕方のないこ
となのです。」
確かに、それなら理由が納得いく。だが、本当にこれでいいのかと思ってしまう
。事情を知った俺は普通にぼーっとしている。夏純と悠はあいかわらずからかい
あいだ。遼介は相変わらず寝ている。真子さんは受験がもうすぐ控えているので
あいかわらず勉強に励んでいる。俺はふと気づいた。そういえば幸の奴がいない
。一体どこにいるんだろう。輝月に尋ねてみた。
優馬「そういえば幸のやつ、どこにいるんだ」
輝月「あいつは今日忙しいみたいで、来れないみたいだよ。」
優馬「そうか。」
おれは普通に答える。 ようやく部活が始まるようだ。輝月が仕切りはじめる。輝
月「さあ、みんな着席してくれる。」
これから一体何が始まるんだ?とりあえず全員着席する。遼介のやつはまだ寝て
いる。
輝月「浩志君、遼介君を起こしてくれる?」
浩志「わかりました。」
浩志は遼介のもとに行き、遼介を叩き起こす。俺は遼介の方をみる。遼介は眠そ
うな顔をしておきる。輝月は黒板の前に行き、しゃべりはじめた。
輝月「さあて、さっそくはじめましょうか。」
優馬「始めるって、何をするんだよ?」
輝月「前にも話したと思うけど、今日はかくれんばの役割を発表するのよ。」
優馬「なるほどね。」
そういえばそんなこと言ってたな。かくれんぼって一体どんな劇なんだ? それは
それで楽しみだ。まあ、かくれんばっていうから一人ずつ皆を見つけていくもの
なのかなと思う。
輝月「じゃあ今回の役者を発表します。じゃあまず今回の主人公の柿崎の役は悠
だ!!」
悠「え・・・・私ですか!?」
輝月「他に誰がやるんだよ。」
1年にいきなり主役の役をやらせるのは無理があるぞ。まったく何を考えているん
だか。
悠「わかりました。私がやります。」
輝月「ちなみにこのキャラは悠にそっくりだぞ。」
悠「ええー。」
悠そっくりってことは本人と同じってことか。
遼介「まあ、よかったじゃん。主役級のキャラになったんだしさ。お前そっくり
なら演じやすいぞ。余計にからかいやすいな。」
悠「なんですって!!!」悠は怒って腕をふりながら遼介のもとに行くが、遼介
に頭を抑えられてしまった。
悠「ああー。何をするんだよーーーーー!!!」
遼介「お前は背が低いから止めやすいんだよな〜。」そんな時、勉強していた真
子が突然言ってきた。
真子「それは聞き捨てならないわ。私だって身長低いのよ!」
まったくこの人たち何言ってんだ。真子さんは身長のことを気にしてたのか。
遼介「いや〜。真子さんは大丈夫ですよ。あまりいじりませんから。」
ってそんな風に片付けていいんかい!
輝月「はいそこ!ちゃんと話しを聞く!」
なんか輝月がいつもよりまじめだ。そして淡々と話しを続ける。
輝月「ええと、次は渡辺君の役を優馬にやってもらうか。」
俺はすこし沈黙した。そして話す。
優馬「なんで俺が役者やるんだよ!」
輝月「だって人が少ないんだもん。」
優馬「だって今まで演劇なんてしたことないよ。」俺は弱音を吐いてみたが、
そんなの無視して輝月は話しつづけた。
輝月「大丈夫。そのぐらいの勢いがあれば平気だよ。」
優馬「勢いで何とかなるレベルじゃねぇだろうが!!」
輝月「はい。次ね。」
優馬「だから無視すんな!!」
輝月は俺のツッコミなど無視をして話しを続けた。
輝月「ええと、西田役は瑞紀、児玉役は遼介、福田は浩志、山田は私がやるわ。

なんか話し進んでるけど、一体どういうことだよ。まだ部活に入ったばっかなの
にいきなり役者をやるなんて無茶しすぎだ。
輝月「他の話はあとでみんなに伝えるわ。」
結局こうなるか。もうやけくそだ!こうなったらがんばってやるしかない。この
劇をなんとしても完成させてやる。とりあえず、輝月から台本のコピーが渡され
た。まずは台詞の数をチェックしなきゃと思い、台本あける。そしてふでばこら
蛍光ペンを取って自分の台詞の部分にラインを引く。徐々にやっていくうちに自
分が台詞がかなり多いことがわかった。これってかなり主役級の役だな!
輝月「とりあえず読み合わせでもしてみる?」
時計をみるともう5時を過ぎている。やばい、今日は用事があったんだ。早く帰ら
ないといけない。
優馬「今日は用事があるんで先に帰る。」
輝月「まじかよ!! しょうがないわ。今日は読み合わせはやめて置きましょう。

優馬「本当にすまない。じゃあな!!」
おれはこういったあと、すぐに走っていった。今日は何せみたい番組の最終回だ
からぜひともライブでみたい。俺は自転車置場に行き、すぐに鍵を開けて家にむ
けて走らせた。


ルシアス「まったく、ようやく一人になったか。そろそろ計画を実行に移す時が
来たようだな。ゴッドチルドレンを闇に染め、この世界を葬り去ってやる!!」

To be continued


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