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SHUFFLE!-Only good days-
見覚えがある神族の少女



 時間は放課後に移り、多くの生徒が教室から出て行く。かく言う俺もどの部活にも所属はしていないし、ようは無いわけだからもう帰るつもりなんだけどな。
 それにしても今日は俺に対する周りの視線は痛い物があった。それも全て朝起こったこと全てが原因なのだが……。


「楓、帰るぞ!」


 いつものように楓と変えるつもりだったのだが、俺が声をかけた瞬間、楓は申し訳なさそうな顔で俺に謝った。
 理由は今日は亜沙先輩に新しいレシピを教えてもらうからだそうだ。
 俺は今日は切らしている材料がいくつかあるため、どっちにせよ家に帰る前にスーパーによらなきゃならなかったしな。


「うーん牛乳と卵の他に何か切らしていたかな?」


 最寄りのスーパーを訪れた俺は食品コーナーで悩み悩み買い物をしていた。朝、冷蔵庫を見たときは牛乳と卵を切らしているのは分かったんだが、他にも何か買うべきなのか考えている。
 というより晩御飯を何にするかも考えていないし……。
 いろいろ考えている内に肉売場までやって来た俺は、そこで一際目立つ少女を見かけた。
 赤い髪は腰あたりまで伸びていて、その可愛らしい顔は男子の誰もが惹かれそうな顔をしている。耳の長さからしてどうやら神族の子らしいが、この近所では見ない顔である。


「?」


「あ、いや」


 長い間見つめていた俺に気が付いたのか、俺の方を不思議そうな顔で見つめる。


「ねえねえ! 稟くんはどっちが良いと思う?」


「は、はい!?」


 怒られるものかと思っていたが、その少女は丸で一度でも会ったかのように俺に声をかけてきた。
 不思議な感じがしたのは俺の精神が異常を起こしたわけではない、俺は小さい頃恐らくこの子にどこかで会っている。
 でもそれは俺の勘違いかもしれないし、はっきりとはしない。


「うちにはよく食べるお方が一人いるので、大きいのを一パックで行くか小さいのを二パックで行くか悩みモード全開中!」


「うーん、そんなに食べるなら小さいのを二パックで行った方が良いんじゃないかな?」


「あっ、やっぱり?」


 その少女は俺が答えるのを待ってましたとでも言うようににっこり笑って見せた。
 そして買い物かごの中に肉を二パック入れると俺に向かって一礼をする。
 その瞬間、俺の脳裏に八年前の記憶が急に戻ってきた。俺がまだ年端も行かない子供だった頃の記憶が……

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あきゅろす。
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