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SHUFFLE!-Only good days-
これだ!



 シアの妹、通称裏シアの名前を考えるべく俺は図書館へ向けて猪突猛進していた。周りの風景が過ぎ去っていくのがいつもよりも三倍近く早いような気がするが、今は図書館へ行くことが第一目標だ。

 しかし勢いで来たは良いけどシアを置いてけぼりにして大丈夫だったかな。まぁ俊樹に限って破廉恥な行為をするとは考えられないし大丈夫だとは思うけど。ってかそんなこと考えるのならシアも一緒につれてくれば良かったな。


「よし着いたぞ!」


 図書館の扉をくぐり、早速図鑑が置いてある本棚へと向かい、何冊か取り出して近くの机に広げた。正直気が引けるほど膨大な量のページ数だがここまで来て引くわけにはいかない。それにあそこまで啖呵を切ったんだから手ぶらで帰ることは許されない。とりあえず何か良い名前がないかを探し始めることにした。


――…


 それからかなりの時間がたつ、楓にはお昼には帰ると伝えておいたのに時計の針は四時を過ぎていた。名前を考えるのは簡単だと思っていた俺がバカでした、はい。あらゆる名前図鑑を見ても当てはまる名前が一個たりとも見つからない。数時間ずっと考えていてもダメなのだ。

 図書館の閉館は五時のため後一時間を切っている。数時間考えてもだめなら一時間以内で考えるのは普通に考えて無理だ。諦めて本をしまって帰ろうとした時、しっかりしまってなかったのか一冊の図鑑が落ちてきた。

 ったく図鑑ぐらいちゃんとしまえよ、こんなことやってたら後の人が困るだろうが。


「えっと……リシアンサス?」


 俺が見たのは紛れもなく、花図鑑だった。そしてとあるページを開くとそこで指をとめる。


「これだ!」


「お客様、館内では静かにしてください」


「はい……」


 いやいや普通は落ち着いてられないって、館内の人も分からず屋だなぁ。ともかくは名前が決まったわけだが、アイツは喜んでくれるのだろうか。喜んでくれれば嬉しいけどな、まぁ結局はその時次第ってことか。

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