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SHUFFLE!-Only good days-
好きだよ



 ブラブラと出歩いた後、いい感じの雰囲気で公園のベンチに座った俺と桜。ちなみにいい感じというのは俺の想像であるため本当かどうかなんて分かりません、はい。

 でも本当に可愛く女らしくなったよな桜の奴。やはり人間こうも変わってしまうものなのか、というより俺たちの周りにいる女性たちが異常なだけなのか。


「う……ん」


 刹那、俺の体に大きな疲労感が襲う。昨日夜遅くまでの飲み明かしのせいだろうが、こんなところで眠るわけにはいかない。せっかく桜に会えたのにこんなところで爆睡してしまったら雰囲気ぶち壊しの気まずい雰囲気になってしまう。

 しかし起きようとはしているものの体は正直のため、急激に休息を求め始めた。それがいわゆる睡眠というものだ。


「どうしたの?」


「昨日結構無理してな、かなり体が疲れているみたいだ」


「それならそうと早く言ってくれれば良かったのに、はい♪」


「●◇※◎←↑∵!!?」


 余りにも急なことに俺の声は3オクターブぐらい裏返った。いや、この世の声であったのかどうかも分からない。桜の手が俺の頭に伸びてきたかと思うと、そのまま自分の膝へと乗っけたからだ。モテない男、いや付き合っている男でさえも恨めしい光景……膝枕だ。


 周りからは冷やかし、妬み、憎悪と反応は様々。実際桜の力だったら俺が力づくで引き離せただろうが、俺の気持ちというものがそういう行動を起こさなかった。


「あ、あの……桜? 嫌なら別に」


「ダメ! 少しの間で良いから……このままで居させて……」


 正直目の前にいるこの愛くるしい笑顔を見ていたかったっていう理由じゃ――ダメなのかな?
 やべぇ、なんだか眠気が……


「すぅ……すぅ……」


「何か俊樹くんの寝顔って可愛いよね……って聞こえてないか」


 最後に聞こえた声、それは可愛いという声が最後だった。それからはすべての感覚器官が暗い闇に覆われる。体に力が入らずにそのまま眠りへと落ちた。


――…


 どれくらいの時間が経ったのだろうか、一時間にも二時間にも感じられる寝ていた時間。しかし実際時計を見てみるとまだ三十分ぐらいしか経っていなかった。楽しみは早く時間が過ぎていってしまうって言うけど、今の俺にとってはゆっくりと時間が流れていくようだ。


「あ、もう起きたの? もう少し寝てても良かったのに……俊樹くんの寝顔をもっと見たかった」


「え?」


「あ、いや。何でもないよ」


 何を躊躇しているんだ桜の奴は。俺は桜の顔が見れるから別にかまわないけどさ。さてと、結構長い時間お邪魔しちゃったみたいだしそろそろ俺も戻るとするかな、まだ入学の手続きが終わっていないし。

 ちなみに俺は国立バーベナ学園に編入するのだが、その手続きのために一回家に帰らなければならないのだ。


「じゃあ俺帰るな、手続きとか残ってるからさ」


「あ……」



――無意識とでも言うのだろうか、俺の体は突然制止した。別に体に負担や痛みが出来たというわけではない。桜の手が俺の服を掴んでいたのだ。それはからかいではない、まやかしではない。正真正銘の八重桜という人物が鵜飼俊樹という人物が好きだという証。本当に小さくて聞こえるかどうかの弱々しい声、しかしそれは俺の体の中すべてを駆け回った。


――否、ただ駆け回っただけではない。俺自身の体が八重桜という人物を認めて、我がものにしたいと思った証しだった。


「俊樹くん……好きです」


 声がでない、体が動かない、瞬きが出来ない。唯一出来ること、それは笑顔でほほえむことだけだった。それが俺の答えだから。桜が好きだからこそ出来る愛情表現、それはキスだ。

 神族にとってのキス、それは死ぬまでこの人と一緒にいるという制約の儀式。


「俺も好きだよ桜、これからはずっと一緒だよ」


「うん!」


 二つの影は一つに重なった。





































「あの〜この小説の主人公って俺だよね? 土見稟だよね?」

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