SHUFFLE!-Only good days-
友との再会
「う〜んたまには外を散歩してみるのも良いかもな」
何もすることが無く、凄まじいほどの暇を持て余している俺は何かをすることもなく、ただ惰性で木漏れ通りを歩く。すると見覚えのある二人が俺の目の前に歩いてきた。その二人一回見たら忘れることが出来ない美少女、シアとネリネだ。
「稟くん!」
「稟さま!」
「二人ともこんなとこで何やっているんだ?」
俺は二人に問うがおそらく理由は俺と同じで暇だからだろう。周りを見渡す限り親バカ二人はいない、どうやら二人でいたようだ。
「暇だから、二人で散歩に来たの。稟くんは?」
「同じ理由だよ」
シアとネリネはやっぱりなというような顔をしながら頷く。俺も二人も考えていることは一寸の狂いもなく同じだったということだ。凄いといえるのかなんと言ったら良いのか微妙なところである。
「まぁここでの立ち話も何だ、どこか日陰がある場所でも行くか?」
話を切り出したとたんに二人の表情はぱっと明るくなる。日陰がある場所なんて限られてくるけど二人が喜んでくれるなら良いか……。とりあえず樹がいないことが何よりもうれしい、アイツがいたら何を言われるかわからない上に麻弓に言われたら最後、噂は学園中にまわることだろうな。
とりあえず樹に見つからなければ何とかなりそうだ。なぜかって? 麻弓はテストの赤点で補修が確定したから今頃は紅女史と補修デートをしているから。
「じゃあ公園にでも行くか」
「うん(はい)♪」
「おいシア! 前危ない!」
浮かれていたシアは前にいた男性に気が付かず、ものの見事に衝突しやがった。とうぜんシアはバランスを崩して後ろに倒れ込む。支えようとして手を伸ばすがシアには届かなかった。
「くっ、届かない!?」
しかしその刹那、一つの腕が地面に倒れ込むギリギリのところでシアをキャッチし直撃を免れる。そう、腕を伸ばしてくれたのはシアがぶつかった男性。神王のおじさんよりも背は高くがっちりした体格の持ち主。
「あ、ありがとうございます!」
「気にしなくても良いよ、けがは無い……稟か?」
俺の顔を見るなり名前を聞いてきたこの男性、彼は俺のことを知っているようだが俺は知らない。誰だ?
「えっと……誰ですか?」
「忘れたのか? 小学校の時にお前の隣に住んでいた……」
その言葉を聞いて俺の過去の記憶が徐々に戻ってくる。十年前、三年間という短い期間ではあったが俺の隣に住んでいた少年。その名は……
「鵜飼……?」
「当たり♪」
目の前にいる男性の名前は鵜飼俊樹(うかいとしき)通称トシくんだ。小学一年の頃に知り合ったのだが、その時は俺よりも身長は小さくて体も痩せていた。そんな少年がここまで大きくたくましく育つとは世の中不公平だ。それにアイドルのように顔立ちも整っているし一体コイツに何が起こったのか。
それに人族よりも少し長めの耳、恐らくは神族だと思われる。
「お前神族だったのか?」
当時耳の長さなんて気にもしなかったし、神族と魔族という種族があるのも知らなかった。さすがにこれには驚きを隠せない。
「ああ、神族だよ」
「まぁ何だ、とりあえず家に来るか? シアとネリネも」
とりあえず今まで何をしていたのかを知りたい俺は家で詳しく聞くことに決めた。
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