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SHUFFLE!-Only good days-
再びいなくなったプリムラ



「ほらほら稟ちゃん、これなんてどう?」


「プリムラさんは美人ですから黒もお似合いですね♪」


 亜沙先輩が俺に見せたのは黒い色の少し大人っぽい下着だ。実際俺は下着のことなんて知らないし、亜沙先輩に似合うかどうか聞かれても答えようがない。
 それに自分の今つけている下着をプリムラに進めるとは何とも亜沙先輩らしい。


「まったく……どうして亜沙先輩とカレハ先輩がついてくるんだ?」


 二人とも善意で付き合ってくれてるわけだから、別に駄目だとかそういう訳じゃない。とはいっても二人とも危険人物には変わりない。
 カレハ先輩は容姿端麗の美少女なのだが、妄想のスイッチが入ってしまうと手がつけられなくなってしまう。


「でもお二人ならきっとリムちゃんにお似合いな物を選んでくれますよ」


「キャー、コレ可愛い。スケスケだけど」


 前言撤回、やはりこの二人には任せきれない。楓、おまえだけが頼りだ。おまえしかまともな下着を買える人はいない、頼んだぞ。

 とりあえず楓に伝言を伝えた俺は、楓たちが買い物をしている間その辺をぶらつくことにした。理由は俺があんな女の子の商品しか売ってないところに居たって、ただのお邪魔虫になるだけで意味がない。それに周りの人から見れば変態が入ってきたとも取られかねない。

 さて、出てきたはいいもののこれからどうやって時間をつぶすか。これといって行くところや、買う物はないし……。

 行く宛も無くただ歩いているだけの俺の目の中に店に置いてあるヌイグルミが目に入る。そういえばプリムラに初めて会ったときにも、アイツはネコのヌイグルミを持っていた。ずいぶん長い間使っているようで、ところどころ破れているところがあったけれど……。

 とにもかくにも折角ここまで買い物に来たんだ、プリムラに何か買っていってやるか。唯一プリムラが興味を持っているものだし、ほんの少しでも喜ぶ顔が見られるなら俺も本望だ。まっ、その代償は安いものじゃ無いけどな。


――二時間後、買い物を終えた俺は再びデパートへと戻った。さすがに買い物は終わっただろうと腕時計を見ようとした刹那、血相を抱えた亜沙先輩が俺の方へと走ってくる。


「あ、亜沙先輩。買い物は終わりましたか?」


「うん……それよりカレハとリムちゃん見なかった?」


 俺は今さっきこのデパートに戻ってきたばかり、当然プリムラに会っているはずがない。ワケを聞くと下着を買った後、二手に分かれて行動していたのだが、待ち合わせ時間になってもカレハ先輩とプリムラが戻ってきていないそうだ。

 カレハ先輩と一緒だと聞いて若干安心はしたが、やはり心配感は残る。


「分かりました、俺も探しますので亜沙先輩はここで待っていてください」


 さて、まずは女物の服が売っているところから捜索開始だ。カレハ先輩のことだから、行きそうな場所は大体限られてくる。まずはそこを潰してしまった方が楽だ。


「プリムラ、カレハ先輩ーどこですか!?」


 いくら呼んでも二人の応答は無い、もしかしたらここにはもういないのだろうか。ひとまずレディースコーナーをくまなく探してみる、そして試着室の前を通り過ぎようとした時、不意にカレハ先輩の声が聞こえた。

 どうやらカレハ先輩は試着室の中にいるようだ。安心した俺はその中で何が起こっているかも知らずに試着室のカーテンを開ける。


「あっ、急に開けては――」


 ちょっと待て、ここって試着室だよな。つまりはカレハ先輩は着替えていると言うことだ。ってことはまさか!?
 しかし時すでに遅し、着替え途中で振り向こうとしたカレハ先輩はバランスをものの見事に崩し、俺の上にのしかかってきた。


「だから言いましたのに……」


「スイマセン……」


 その後のカレハ先輩の話からプリムラが勝手にどこかへ行ってしまったということが判明。完全に手がかりがなくなってしまった今、どのようにしてプリムラを探せばいいのか。

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