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SHUFFLE!-Only good days-




「ねえ龍、さっきの授業は魔法の力を動力に壷を作るはずだったよね……?」


「ああ……で、何が言いたいんだお前は」


 まぁ大体の予想はつくがな、どうせ俺の壷が遮光器土偶だとでも言いたいんだろ。ちなみにこんな間抜けな形になってしまったのは全て樹が原因、俺がろくろを回していたときに後ろから何回もちょっかいをだしたからだ。

 当然ちょっかいをだされるごとに土台となっている土はぐちゃぐちゃになり、結果修復不可能の遮光器土偶の壷となってしまったわけだ。


「お前のせいだろーが!!」


「いや、それでもこんな見事なものは作れないよ?」


 口ではほめ言葉でごまかし、顔ではそれをバカにして笑っている樹。許せん……我慢を越えて俺の精神は崩壊寸前、いっそのこと神王のおじさんの天罰を与えて……いや、天罰だけじゃコイツは治らないだろう。


「稟くーん♪」


「シア、楓!」


 女子の方も選択授業が終わったようで、次々と教室に戻ってくる。その中で二人の美少女、シアと楓が俺の席に来た。


「わぁ、かわいい埴輪♪」


「いや壷だから」


 壷を一目見たシアはものの見事に埴輪と間違えた。それに間違えるなら埴輪じゃなくて土偶、このヘンテコな姿は嫌でも目に焼き付くものだと思うんだが。

 冷や汗を流しながら訂正をするシア、それと同時だろうか甘い匂いがしたのは。


「分かります? 同じ焼き物でも私達はクッキーを焼いたんです」


 うーんおれって幸せ者だね、さっきまでさんざん俺を馬鹿にしていた樹も涙を流しながらクッキーに飛びついてくる。

 楓のもシアのクッキーも美味しそうだ、さてどちらから頂こうかね。どっちにせよどちらも美味しいだろうし、正直悩みものである。


「稟さま、皆さんお揃いですね」


 満面の笑顔で教室に入ってきたのはネリネ、どうやら調理実習の片付けを担当してたようだ。ネリネは料理は苦手だけど、裁縫などの小物作りは得意だと聞いた。


「あら? 素敵な遮光器土偶……」


「いや、これ壷ですから」


 ネリネの勘違いに対し、某CMのような言い方で返した俺。この壷そんなに遮光器土偶のイメージが強いのだろうか、見る人見る人全員が遮光器土偶と間違えていく。

 ちゃんと穴も開いているし間違えることはないと思うんだけどな。ある意味悲しさを覚えた俺は窓から外を見つめる。


「うわ……降って来やがった。こりゃ今日は止みそうにないな」


 窓から見えた空には暗い雨雲が広がり、雨を降らせている。特別強いという訳では無いのだが、帰るまでにはぐっしょり濡れてしまうぐらいの雨が降っている。

 俺は今日傘持ってきているから大丈夫だが、持ってこなかった奴は災難としか言いようがない。降水確率が高い時に降らない日もあれば、低い時に降る日もある。

 前者二つに対してはそれなりの対処が出来るだろうが、問題は後者の朝は雲一つない晴天だったときだ。これはうっかり傘を忘れてしまったということが多い、天気予報で降ると言っていてもだ。

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あきゅろす。
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