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SHUFFLE!-Only good days-
成長したな



「稟……起きないと遅刻」


「ん〜分かったから、後五分」


 いつも通りの朝だ。いつまでも寝ている俺を楓が起こしにくる。だが、この時はいつもとはちょっと違った、俺を呼び捨てで呼んでいるのだ。

 しかしそれを深く気にしない俺は体制を仰向けにする。そしてようやく、現状を把握することとなった。


「稟……やっと起きた」


「な、何でプリムラ俺の上に乗っかってるんだ!?」


 目を開けた先にはプリムラが俺の上にまたがっていたのだ。これにはさすがに驚きを隠せない、むしろ驚きというよりも驚愕と言った方が妥当かもしれない。

 俺が起きたのを確認したプリムラは、机の上に俺の着替えを置きそのま一階へ降りていった。俺を起こすように指示したのは楓だろうが、こんな起こし方をするとはな……今後気をつけないと。


「それにしたって寝てる人の上に乗るのはさすがに駄目だろ?」


「いくら呼んでも起きなかった……」


 前言撤回、今朝のことは全て俺が悪かったです、はい。これからはもっと早く起きます。

 それにしても冷ややかな視線でこっちを見るプリムラが怖い、プリムラも敵にまわすべからずかな。


「それよりプリムラ、その服どうしたんだ?」


 今の今まで気がつかなかったが、プリムラが着ている服がいつもと違う。どこかで見たことがあるような服ではあるが、頭のなかに思い浮かんでこない。

「私のお古なんですけど、サイズが丁度だったんですよ」


 なるほどね、どこかで見たことがあると思ったら楓が昔着ていた服か。つまり、楓にもプリムラぐらいのサイズだったときがあったということだ。俺も楓とは長いつき合いだが、もちろん楓の成長日記何かつけていないから忘れていることも多い、むしろ俺が普通なのだろう。


「ま、胸の辺りなんか比べてみると信じられないけどな」


「い、今は……もう少し育ちましたから……」


 楓はかなり恥ずかしがりながら、自分の胸元を隠す。いや、本当に昔と比べるとかなり成長しているんだって、プリムラの着ているワンピースと比べても分かることだし。

 しかし楓は俺の言葉が致命傷となったのか、ぽーっとしたまま何も喋らなくなってしまった。


「あーいや、悪い。そういうことじゃなくて懐かしいなと」


 どうみてもその場しのぎの言い訳にしか聞こえない俺の言葉、プリムラもこちらを監視するように見つめる。


 俺がこの監視の目から解放される日は来るのだろうか?

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