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SHUFFLE!-Only good days-
沸点の低さ



「土見くーん!」


 日はだいぶ傾き、教室にも紅の光が射し込んでくる。帰ろうとする俺を麻弓が呼び止めた。
 何かいやな感じがあったのだが麻弓から聞かされた話の内容にさほど害は無さそうだ。その内容とは俺がネリネをゴミ捨て場まで案内するということ、どうやら麻弓は俺=暇人だと考えているようだが確かにそうなのかもしれない。


「まぁそれくらいだったら構わないよ」


「オッケーだってさリンちゃん」


 ネリネの表情がホッとしたかのように緩む。明日にはレポート二十枚提出しなければいけないという強制課題はあるが、たかがゴミ捨て場に案内するぐらいなら別にどうってことはない。それより転校してきたばかりのネリネを一人にしておくことは俺自身が許せない。
 とはいえ、転校してきたばかりの女の子にゴミ捨てなんか行かせるものかよ。普通は誰かが変わってあげるものだろうと俺は思うね。


「すみませんわざわざお付き合いしてもらった上にゴミ箱まで」


「気にするなって、特にこれといった用事は無かったしさ」


 体育館のちょうど裏側に差し掛かるとそこには三人の上級生がおり、俺とネリネが話しているのを見るやいなや突然皮肉としか取れないような会話をし始めた。
 もちろんこんなことは楓といる時からあったため気にせずにスルーしようと思ったのだが、ネリネはそれが気に入らないらしく表情を歪める。
 俺はこんなバカな奴らを相手にしている暇なんてない上に相手にしていたら後々面倒になってくる。その場を無視でやり過ごす、ネリネも俺の気持ちが分かったようで怒りたい気持ちをぐっとこらえていた。
 だが何も言わないことを良いことに上級生の皮肉はますますヒートアップしていく。


「どうやったらそこまで見境ない人間になれるのかお教え願いたいね」


 その言葉がネリネの我慢というリミッターを外したのか、俺の後ろで猛烈なエネルギーが漂い出す。そのエネルギーに気が付いた俺はすぐに後ろを振り向くが時すでに遅し、一発の高エネルギー体が発動し、三人の上級生の横の壁に直撃する。エネルギー体が直撃した壁は轟音とともに崩れ落ち、大柄な人一人が簡単に通れそうなぐらいの穴が開いてしまった。


 さすがにこれには俺だけじゃなく上級生も唖然とした顔になる。例えるならば何か見えない恐怖におびえているといったところだろう。


「今の言葉は明らかに稟さまを侮辱するものですね……」


「お、おいネリネやめろ!!」


 目つきが変わり、明らかに先ほどまでのネリネとは違う。このままにしていたら何が起こるのか想像もつかない、最悪の場合を想定するとここで止めなければ。
 だが俺の言葉なんか関係ないとばかりにネリネは攻撃を続ける。もはや俺が何をいっても無駄なのかもしれない。

「待てネリネ、本当に殺しちまう!」


「稟さまを侮辱する者に捧げる太陽の光はありません! ……ただせめてもの情けです。これで一瞬にして蒸発してください」


「ネ、ネリ……」


 ネリネの手に集まった極限のエネルギー体は俺の周りにあるすべてを一瞬にのみ込み、そして爆発した。

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あきゅろす。
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