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SHUFFLE!-Only good days-
新たな親衛隊発足、SSSとRRR



「おはよう土見ぃ!」


 後ろから同い年の生徒に背中を思い切り叩かれ、苦痛に顔を歪める。
 亜沙先輩は力がさほど強くはないため我慢することが出来るのだが、今回は男。とてもじゃないけど一発だけでもかなり痛い。


「土見、いい天気だなぁ!!」

「土見元気か!?」

「よぉ土見!」


 続けざまに強烈な一撃を四連続で受けて、俺の背中はすでに真っ赤で限界寸前の状態だった。
 既に叩かれた場所は真っ赤になり、感覚はゼロに等しい状態だ。正直に言わせてもらうともう立っているのも精一杯だ。しかしそんな俺にトドメの一発がくるのは目前にまで迫っていた。


「稟、おはよう!」


バシィィン


 学園中に良い音が鳴り響く、それとともに痛みの限界点を遙かに越えた俺は、何の抵抗をすることなく、その場に倒れ込んだ。


――…


「いや〜朝から大変だったね」


「ううっ……お前も一緒だったろうが」


 コイツ……自分がしたことをすっかり忘れてやがる。全く悪びれないこの表情、許せねぇ。
 もし背中の痛みがなかったら半殺しにしているだろうが、それは後でのお楽しみとしてとっておこうか。ちなみに俺は保健室のベットにうつ伏せになっている。その背中は手形に赤くなっているため、さわられるだけでも痛いのだ。


「稟くん、冷たいタオル」


「ああ……気持ち良い」


 タオルが背中の痛みを忘れさせてくれるとともに、楓の温もりがタオルを通じて俺に伝わる。
 後ろでは楓の他にシアとネリネの声が聞こえるが、特に気にする必要もないため、目を閉じた。
 その刹那、背中のタオルが上下左右に動かされ、背中に先ほど以上の痛みが背中に走る。


「イデデデ!! こっ擦るなぁ!!」


「ごっ、ごめんなさぁぁい」


 三人の可愛らしい声が保健室に鳴り響く。男の子だったら思わず『萌え〜』とでも言ってしまいそうだな。
 ある程度痛みが引いてきたようで、先ほどまであった熱っぽさは弱まっている。痛みはすべてバカ男子のせいなんだけどな。


「土見くん! 大変だよ」


 保健室の扉が開き、血相を抱えた……訳ではないが麻弓が飛び込んできた。


「今以上に大変なことなんてあるかよ……」


 それと同時に楓、シア、ネリネの三人ががっくりと気を落とす。俺は教室に戻るために制服をアンダーシャツの上から羽織る。
 だが麻弓の表情はあーあ知らないといった表情に変わった。何というかコイツが絡むと必ず何かが的中するから怖い。それもたまにではなく、しょっちゅうだからだ。


「土見稟君はいますか!」


 うわっやっぱり来やがった。何でこうも良く当たるのか不思議で仕方がないが、これが現実なのだろう。
 っていうかコイツらは一体何なのだろうか、一人は楓の親衛隊だとしても他の奴らは。


「僕達はシアちゃん親衛傭兵団、すきすきシアちゃんです」


「私たちはRRR。リンちゃん突撃護衛隊、らんらんリンちゃんであります」


「………」


 マジかよ、楓の親衛隊だけでも精一杯だってのにシアとネリネにまで親衛隊が出来るだなんて……。正直もう俺の手には負えない、明日の朝日さえも拝めるのかも危ういものだ。
 そんなことより麻弓がもうちょい早く言ってくれればこんなことにならなかった気がする。というより自分がもう少し真面目に聞いていれば絶対に早く回避出来ていたような気がする、まぁ今更後悔しても遅いのだが。


「土見君、覚悟!」


 保健室の前にいた三組の親衛隊は、まるで部屋にたまった水が一気に溢れ出すようにこちらへ向かってくる。当然逃げないのなら俺の命は無いだろう。
 ベットを一つ乗り越えた俺は、保健室の窓を乗り越えて外へと脱走した。


「うーん、土見くんって『神にも悪魔にも凡人にもなれる男』っていうより……」


「まぁ『学園中の男子生徒を敵に回した男』ってのが妥当だろうね」


 何言ってるか知らねーが早く俺を助けろよぉ!!

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あきゅろす。
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