SHUFFLE!-Only good days-
本当の転校生
「何だおめーら? やけに静まり返っちまって、さっきまでの元気はどこいった?」
え〜入ってきたのは男二人という周りの期待を裏切るようなことに、クラスは静寂する。
俺は麻弓と樹の情報にもミスがあるんだなと思ったね。確かに美男子には違いないのだが。
だが横の席の樹、後ろの席の麻弓に聞いてみるものの、二人は首を揃えて横に振った。一体何がどうなっているのかまるで想像がつかない。
「で、どの坊主がそうだって?」
「えーっと、発見。いたいたあの子だよ」
男性のうちの一人、魔族の色男の人と目が合い隣にいる筋肉男の人と共に俺の席の方向に向かって一直線に歩いてくる。 すると色男の男性の方が俺の方に向かって声をかけてきた。
「君が稟ちゃんだね。ネリネちゃんのことよろしく頼んだよ」
その色男の男性は俺の手を掴み強引に握手をさせる。しかも見た目は線が細いのに力は想像以上、下手をすれば体さら持って行かれそうなほどに強かった。
というより見たことも聞いたこともない男性、一体誰なんだろう。耳を見る限り魔族の人何だろうが、今までに会ったことがある魔族の人はそうはいない。
しかしその刹那、ある記憶が俺の脳裏を横切る、それは八年前に会った魔族の女の子、そして昨日公園で会った魔族の少女とピッタリと重なった。
「おいおい抜け駆けはなしだぜまー坊。まぁ見たところ中々の体つきのようだし、これなら前途有望か。シアのことよろしく頼むぜ稟殿よぉ!」
太い腕に付いた大きな手でバシバシと俺の肩を叩く。どれだけの力を込めたのだろうか、肩がジーンと痛み出す。
何がなんだか話を進められるせいで俺の頭の中は限界、すでにパンクする寸前だった。
二人はこちらのことはお構いなしとばかりに言い争いを始める。
ああ、神よどうか私を助けてくれませんか?
などと無駄な願いを込めていた時だった。
「お父さん!」
不意に可愛らしい声が鳴り響いたかと思うと目の前にいた筋肉男の顔が前にズレて、そのまま俺の机に叩きつけられた。 そう、まるで上から重りでも落ちてきたかのように。
「シア、さすがに椅子はやりすぎ……」
「普段血の気が多いんだからこれくらいがちょうど良いんです!」
すると二人の後ろから神族の少女が一人、顔を覗かせる。
それは紛れもなく、昨日スーパーで出会った美少女だったのだ。両手でパイプ椅子を握り、父親である筋肉男を睨みつける。
「お父様もやりすぎです。稟さまが困ってらっしゃるじゃないですか」
そしてもう一人の少女が色男の後ろから姿を現す。こちらもやはり昨日の夕方、公園で歌を歌っていた魔族の少女だったのだ。
父親である色男の人は汗を浮かべて、言い訳をはじめる。
二人そろって娘にはどうやら弱いようだ。
するとそれを待っていたかのように静かだが異様な迫力がある声が四人にかけられる
「そろそろ話を進めさせてもらってもよろしいですか?」
「はい……」
やっぱり一件落着とまでは行かないそうだ。
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