SHUFFLE!-Only good days-
恐るべし!!
「……ごめんなさい」
「あのなぁ、いつも無理するなって言ってるだろ?」
「でも……」
「でも、じゃない。今日は一日家でゆっくりしていろ」
あの後、プリムラには事情を知らせて先に学校へ向かわせた。
熱を計ってみると案の定、三十八度を超えていたためそのまま家で休ませようとしたのだが……それがこのような状況になってしまっている。
「大体そんな体でいっても説得力がない。まずは三十八度もある熱を下げてからだ」
「さて、と……」
「稟くん?」
「何か冷たいもの持ってくるよ、ちょっと待ってな」
───…
「ほら、アイスだ。とりあえずは熱を下げないと……」
「あ、ありがとうございます……もう大丈夫ですから稟くんは、学校へ行ってください」
楓から返ってきた言葉は意外な言葉であったため、俺は思わず目をキョトンとさせる。
昔からそうだが、楓は決して弱音を人に見せるようなことはしない。
それは熱があっても学校へ行って、無理して一日を過ごしてしまうほどなのだ。
が、ここで引くにはいかない。
「あ、あのなぁ……女の子を一人で置いてきぼりにするなんて出来ないっての」
「そこまで言うのでしたら、私も自分の意見を貫きます」
「こら、それは普通俺が言う言葉なんじゃないのか?」
「私にとっては正しいんです」
あぁ……ダメだ。こうなっちまうと楓の奴やたら頑固だからな。
自分の意見が通るまではずっとこんな調子だろう。仕方がないな……
「分かったよ、俺は行くからゆっくりしていろよ」
「行ったけどすぐに帰ったっていうのはダメですよ?」
うっ……完全に見透かされているし。万策尽きたなこりゃ。
───楓の読心術……恐るべし!!
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