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SHUFFLE!-Only good days-
転校生は……



「うーっす」


 いつものように俺が先頭で教室に入る。しかしどうしたことか樹はおろか、ほとんどの男子が教室にいなかった。
 席に座ると俺は近くにいる女子に話しかける。


「なぁ麻弓……他の男子は一体どうしたんだ?」


 本名は麻弓=タイム。今時珍しい魔族と人間のハーフで明るい性格。また無駄なことに関しての知識はかなり高いのだが、勉強の知識に関してはまるっきりダメダメ。


「ほら、例の転校生よ。二人とも美少女だって教えたら男子はみんな職員室に行っちゃったのよ。ま、土見くんは毒牙にかからなかったみたいね」


 転校生、本当は昨日転校してくるはずだったのが今日に変更したって昨日帰りのホームルームで紅女史が言ってたっけな。
 ……まさか昨日あった二人じゃないよな。確かに二人とも極上の美少女だけど偶然だよな。


「ああ、そうそう写真撮ったんだけど見る?」


 麻弓はそう言うと愛用しているデジカメを取り出したが、俺はあえて断った。どのみちホームルームでの紹介があるんだから、せかして見る必要もない。逆に楽しみが無くなる。
 三人で話をしていると急に廊下の方が騒がしくなった。どうやらみんなが戻ってきたらしい。
 教室に入ってきた男子はみんな一生分の幸せでも味わったかのような表情をしている。


「いや〜やはり素晴らしかったよ稟!」


「はいはい良かったな」


 樹は薄笑いを浮かべてメガネを上に押し上げる。コイツは一体何て言ってあげたらいいのだろうか、何を言っても無駄な気がする。
 そんな空気をさらに後押しするように扉が開く。やれやれといった表情を浮かべながら紅女史が入ってきた。そして教壇に立つと諦めたかのように口を開く。


「はぁ〜、もはや説明なんかする必要はないな。二人とも、入ってきなさい」


 するとクラス中の男子から大歓声やクラッカーが鳴り響き、拍手が沸き起こる。
 全員が扉に集中する中、扉の外から二人が姿を見せた。


「あーっはっはっはっ! なかなか面白そうなところじゃねぇか、人間界の学校もよぉ」


「全くだ。美しいお嬢さん方がいっぱいで私たちも若返ってしまいそうだね」


 入ってきたのは麻弓や樹の情報とは似ても似つかないような色男と筋肉男だったのだ。

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