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SHUFFLE!-Only good days-
同居初の朝



「稟くん」


 俺を呼ぶのは誰だ? 朝日が照りつけることからどうやら朝になったらしいが、眠気という感情が俺が起きるのを妨害する。
 また俺を呼ぶ声がする。今度は先ほどよりもはっきりと。


「楓……?」


「稟くん、おはようございます」


 そこには笑顔で俺を起こす楓の姿があった。そうか、確か俺は楓の家に居候することに決めたんだっけ。目をこすり俺はゆっくりと上体を起こす。
 俺が起きたのを確認した楓は勉強机の上に着替えを乗せ、部屋を出て行った。
 かく言う俺も机の上に置かれた着替えを手に取り、手早く着替える。
 下に降りた頃にはすでに朝食が机の上に並べられていて、もう食べれる状態になっていた。俺自身も朝飯をこんなにしっかりと作ったことはないから、ちょっと楓がお姉さん的存在に見える。


 さっさと食事を済ませた俺と楓はいつものように学校へ行くことに。
 当然だが持って行く弁当は楓の手作り、今時のモテない男達だったら『地球に生まれて良かった』とでも言って学校の屋上から飛び降りてしまうだろう。
 楓がしっかりと起こしてくれたのか目覚めは最高、いつもみたいな眠気は殆どないに等しい。
 通い慣れた通学路を歩き、十数分で学校には着いた。
 まぁ今日は親衛隊のバカ共達も今日は出てこなかったし、これが普通の学校生活なんだなとしみじみ思う。


 そして昨日に続き再び俺の背中に衝撃が伝う。もちろんこんなことをするのは一人しかいない。 痛みをこらえながら叩いた人物の名前を叫ぶ。


「またですかっ! 亜沙先輩」


「今日も二人で登校? 本当に仲が良いわね〜?」


「今のは嫉妬なわけですか?」


 俺が言い終わるとほぼ同時に、鞄の角が俺の後頭部を襲う。先ほどよりも強烈な痛みに頭を押さえてうずくまった。
 手加減ってもんを知らないのかこの人は……。


「り、稟くん、大丈夫?」


 亜沙先輩と別れた後、痛みをこらえながら教室へと向かった。

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あきゅろす。
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