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アーシス 〜the Guardians〜
事件
巡回中

鈴は、歩いている道の先にあるコンビニを見つけると、まだ学校を出てから何も食べていないことを思い出した。

しかし、巡回に出る前に缶ジュースを買って手持ちの金が無くなっていたことを思い出し、買い物をすることを渋々諦めてコンビニの前を立ち去ろうとする。

だがその瞬間、鈴の視界の隅にあったコンビニの中に小さな火種が生まれ爆発を起こした。

「爆発?」

鈴は、突然のことに慌ててコンビニに近付くすると、フードを深く被った2人組が店舗の中から飛び出し、外に止めてあった自動車に乗ると急発進した。

それを見た途端、彼らがコンビニ強盗であることを悟り、杖を構える。

「逃がさない!」

狙いを定めると、杖の先から2本の炎の矢が放たれた。それは、犯人たちの逃走車に向かって飛来し、左後輪に突き刺ささるとタイヤを融解させた。

バランスを失った逃走車は、道路脇の電柱に衝突し停車したが、犯人たちは車を乗り捨て走って逃げようとする。



「くそっ!警察ならともかく、何でアーシスがいるんだ」

「兄貴、まずいですよ。あんな化け物、俺相手できません」

「それなら、お前は金を持って先に行け!俺は、あいつの相手を足止めする」

そう言って、相棒を先にアジトへ向かわせると男は杖を抜き、自分たち追い迫る少年に狙いを定める。そして、彼に向けて無数の炎弾を発射した。



自分に向かって来る炎弾に気付いた鈴は、周囲の状況を確認した。幸いなことに、そこは辺りに住居が無い、畑の間を通る道だった。

すると、鈴の杖からも自分に向かって来るのと同じ数だけの炎弾が放たれ、男の攻撃を全て迎撃する。

それらが衝突した瞬間、炎弾は爆散して紅蓮の壁を作り出し、鈴と男は互いに相手の姿を視界から消失させた。

(ちっ、余計なことを…だが、今なら互いの姿が見えない)

男は、鈴に姿が見えていないことをよしとして、その場から逃走しようとする。

だが、その時だった…

突如、炎の壁の中から黒い固まりが飛び出して来た。そして、それが男の横を通り抜けた瞬間に彼が持っている杖が両断されてしまった。

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あきゅろす。
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