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守護の鬼〜strange bloods〜
鬼の子...
突如、ニールにやられて倒れていた一人が目をさました。
彼は、しばらく寝起きのようなボーっとした顔で氷柱を見ていた。
しかし氷柱と目が合った瞬間、この世の終わりかと言うような恐ろしいものを見たような顔へ、豹変した。

「あ、蒼い炎...!!...ま、まさか、お、鬼の子...?!」

「な、何!?鬼の子だと?!あの鬼の血の継承者が...?」

さすがは科学者である。それなりの情報は持っていた。しかし、気付いた時には既に手遅れ。

「そうだ...俺は鬼の子だ。気付くのが遅かったな!」

キマイラは片方の頭を殺られたせいで、バランスを取るのもやっとの状態になってしまっている。
トドメをさすには絶好のチャンスだ。

「うおおぉ!!」

氷柱は全身に炎と風の両方を纏わせ、ブースターでもう一つの鬼の頭を潰しにかかる。

「ひ...くるなぁ!」

くるしまぎれか、鬼の頭から炎が吹かれた。
しかし、氷柱は避けようともしない。むしろ不敵な笑みを浮かべていた。

「こんな炎もう防ぐ必要もない。」

氷柱は炎に攻撃することも防ぐ事もせず、身体だけで炎に突っ込んだ。
氷柱の身体は炎を物ともせずに貫く。そして、その勢いを失うことなく、鬼を形どる頭に斧を振り下ろす。

「よ〜く、覚えておけ!コレが黒川町の守護士だあああぁ!」

鬼の頭に斧がめり込む鈍い感覚...
そして感覚どおり鬼の頭は鮮血を、まるで果汁が吹き出すかのように飛び散らして...ポンッとあっけない音をさせてはぜた。
キマイラの肩に乗っかっていた科学者は、その衝撃でキマイラから投げ出され、地面へとしりもちをついて着地した。

しかし地面にはニールと沙奈がいる。

「残念だったね.....鬼遊科学...」

ニールは腕に物凄い量の風を纏わせ、鬼遊科学の三人へと肉薄する。

「う...わああぁ!」

しかし無駄な抵抗。ニールから逃げられるハズもがなく、

「さぁ、吹っ飛ばしてください、ニールさん!」

「飛翔....竜巻!!!!」

物凄い気流が鼓膜を破るかの如く、爆音を響かせ、空へと向かって伸びてゆく...
鬼遊科学の三人はつむじ風に巻かれたような小さな落ち葉ていどにしか見えくなっていた。そして、しまいには、氷柱の視界から消えた。

「あちゃ〜」

「こりゃまた豪快に...さっすがぁ!」

ニールはぐっと親指を立てて微笑んだ。

「ふぅ...終わったな...」

氷柱は一息着いたように肩をおろす。その時、目についたのは崩れた守護棟の残骸

「にしても...悲惨だな...この守護棟を建てなおすのか....めんどくせぇ〜」



__...



「っつ...イテテ...」

「クソッ...悔しいぜ...」

「こうなったら周辺の研究所に応援をかけてヤツラをぶっ殺してしまうか!」

「おぉ!」という仲間の同意を得た鬼遊科学の三人のリーダーはケータイをかけ始める。
黒川町周辺にある鬼遊科学の支部研究所に応援を求めているのだ。

プルル...プルル.....

.................................。

「...あれ?出ないぞ...?」

「え?」

「柏原町は?永井市は?!」

「ダメだ!出ない...?どうなってるんだ!??」

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あきゅろす。
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