[携帯モード] [URL送信]

守護の鬼〜strange bloods〜
キマイラ...
氷柱はあるウワサを思い出す。、
ウワサでは、そこらにいる害の全くない奇神どももひっくるめ、配合実験等をしていると聞いていた。
それが、彼ら鬼遊科学(コマンド・サイエンス)≠ナある。


「どうだね?俺達の芸術作品だ。」


「作品?」

奇神たちをいじくり回したあげく、作品呼ばわりする彼らに、三人は怒りが沸き上がってきていた。
奇神達も生きてる。
また、奇神を表の世界で堂々とさせられなくしたのは人間なのだ。
身勝手にも程がある。

「氷柱、沙奈、鬼遊科学の三人は俺が片付けとく...そのキマイラはお前たちに任せたぞ...アイツらは絶対に許さない。」

ニールは氷柱と沙奈にそう言うと、三人に向かって風を巻き起こし、物凄いスピードで突っ込んでいった――

「.......任せられたはいいけど...」

「大きすぎるよね...」

見た限り、対象の大きさは6m程、ぱっと見では全体が視界に入りきらない。
最初、相手が三人だけだと思い込んだのもその為だ。

「ああ...どう戦えばいいのかねぇ...」

この大きさ、正面からぶつかってたらまず鎮圧は不可能。そうなると、作戦は限られてくる。

「う〜ん...そうね...スピードでかきまわそっか?」
「ま、それが無難だな」

「さてと...」

氷柱は、キーホルダー式、武器ホルダーにつけた縮小武器のうちの一つ...斧を手に取った。
そして、一振りすると実物大の大きさの斧になる。
沙奈も武器の日本刀を拡大し、体制は整った。

「さて...始めようか...」

「うん...」

ほとんどの守護士は風の系譜の技を使うように鍛えられている。それによって不安定になる大型奇神との空中戦にも対応できるのだ。
氷柱は、その風を足に纏わせ、風の力でキマイラの顔の高さまで跳ねあがった。

「だらあぁ!!」

そしてキマイラの顔面めがけて斧を思いきり振り下ろす。
...キマイラは斧が顔に当たった衝撃で揺らめいた。そして、すかさずそこへ素晴らしい剣速でかまいたちを生み、キマイラの腹へ打ち込む沙奈。

「ゴオァオオオォォ」

キマイラはその痛みに苦痛の雄叫びをあげ、バランスを崩し、まるで電柱が倒れるかのようにもの凄い衝撃を残して、倒れた。

「ふぅ...」

しかし一息をついていられたのもつかの間だった。氷柱の背後からは、普通ではあり得ないほどのスピードで灼熱の炎が迫ってくる。

「!?」

氷柱は完全に不意をつかれてしまう。
その炎のスピードは氷柱の身体能力の反応速度を超えていた。
いくら風技があるとはいえ、これだけの炎をはねかえすのは不可能...
その紅色の炎は氷柱をまるごと無造作に飲み込んだ...。

「つ、氷柱!!」


氷柱の耳には沙奈とニールの叫び声、男のけなすような笑い声がかすかに届いていた...

炎は氷柱の身体にまとわりつき、氷柱の身体を焼きはらおうと必死に燃え盛っている――
しかし、氷柱はこの炎を暑いではなく、ぬるいと感じていた。
この程度の熱の炎では氷柱の身体は焼ききれはしない。


[*前へ][次へ#]

2/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!