[携帯モード] [URL送信]

守護の鬼〜strange bloods〜
襲撃...
――*――

.....暗い...何も見えない。近くに何があるのか...誰がいるのか.....人の気配は感じる....しかしそれ以外をすべて遮る漆黒の闇....

――*――

氷柱の耳にかすかだが、外からの声が耳に届いた....間違いなく人の声......しかし、守護棟のメンバーの声ではない。

「....ここで13ヶ所目か...守護士もたいしたことはないな....」

13ヶ所目...この数字は、守護棟を意味する...そう、外にいる人物は、今までに12ヶ所の守護棟を潰して来たのだ...そして、この黒川町が13ヶ所目...。

「ククク...守護士も平和ボケしたヤツらと同等のクズにまでなりさがっちまったようだなぁ....ハッハッハッハ」

この言葉が氷柱の心に火をつけた...。
なんの根拠もない、侮辱に氷柱のはらわたわ煮えくりかえっていた。

「ま、守護士も所詮は人間、たいした事はない...成りさがれば下がるトコまで下がる...今の平和ボケした守護士は生きる価値もないゴミだ...」

「守護士ごときには、このクズ山の下がお似合いだぜ...ククククッ...」

氷柱のイライラは既に限界に達していた。
彼は漆黒の闇の中、声を頼りに数える相手の数。
その結果、絶対に勝てるという確信を得た。
自身の能力の過信は危険なな行為だ。しかし、守護士として様々な訓練を経ている氷柱はその未熟なレベルは越えていた。

「誰がゴミだってぇ...?」

氷柱は、周辺に散らばっている、建物の残骸を無造作に持ち上げ、脱出した。

「なっ...立ち上がれるヤツがいるだと...」

「ふん...この程度で黒川町の守護士がやられるワケがないだろ...」

(しかし...酷いな...俺達の家に等しい守護棟を...こんなにメタメタにしてくれちまって...)

「あ〜あ...守護棟をこんなにしちゃって...」

背後からは氷柱も聞き慣れた声...沙奈だ。

ということはである。当然のごとくニールは無事。

「クククク...アハハハ...よくも俺達の守護棟をこんなにしてくれたねぇ...それだけの落とし前は付けてもらうぜぇ!!」

いつもはクールに決めるニールが、今までにないほど狂っていた。そして怒りもピークにまで達している。。
それは当然の事...
先代より、守護棟は何度も壊され、再建されてる。しかし、代々の守護士の思いと血が培ってきた物が守護棟には染み付いている。
それがこうも無造作に壊されたのである。誰でも怒りは感じるだろう。

「ふふっ...あっははは...」

「何がおかしい?」

「確かに建物が崩れて無事だった守護士は君たちが初めてだ...しかし、たった三人で何ができるかな...?」

氷柱は一瞬、相手の言っている事ができなかった。相手の頭数も守護棟側と同じで相手は三人だった。......確かに人影は三つだった...
そう...人の影≠ヘ三つ。
人の形を保ったままあの一瞬で守護棟ひとつ潰すのはどんな奇神でも不可能な事。

「....ウソだろ.....」

氷柱が相手の数を三人だと思ったのはもう一つの影が目に入りきらなかったからだ。そう、目に入らないくらい巨大な影だった。
それは...鬼でもなく、龍でもなく、悪魔でもない..首が二つある...見たところ龍の首と鬼の首。

「これは...純粋な奇神じゃないな...」

[次へ#]

1/5ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!