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守護の鬼〜strange bloods〜
レンタカー....
「蛍も…………バ」

今度はニールが美弥の口を塞いだ。
蛍は実は結構怖い。それを知っていたニールだから止めた。

「仕方ないな……ま、行ってみようぜ?やってみなきゃ始まらない」

ニールは美弥の口から手を優しく離して静かに部屋から出ていった。

(やっぱニールさん、カッコイイ)

美弥と沙奈は部屋を出ていく彼の背中を見てそう思った。
そして、パタンと静かに扉が閉じた。

その扉の向こうで「あでぃ」と情けない声を出してコケていた事は誰も知らない。

「さて、私たちも続きましょう!」

「はぃ…………沙奈さん」

環は蛍の表情で心情を読み取ったようで、二人ははちょっとした取っ組み合いになっていたが、すぐに沙奈と美弥を追いかけるように部屋から出ていった。

...................................。

「で?なんで俺は美弥の背中におぶさってるんだ!」

氷柱はいつの間にか美弥の背中におぶさらされていた。
守護士であるため、大体の人間は背負うことができる。
そのため、美弥に背負われてる事に疑問はない。
また、烈火が環の背中に乗っている事も同様だ。問題なのはなぜ彼らが二人の背中に乗っているのか。それただ一点に尽きた。

「えっと……俺は烈火と殴り合いになって……いや俺は烈火にやられてはねぇ」

飛んだ記憶を繋ぎ止めようと氷柱は必死に思い出そうとする。

「ああ、環さんに止められたのか。納得」

軽々しく氷柱は納得した。
女性に意識を飛ばされるように喧嘩を止められた事に全く不満は抱いていないようだ。

「あ、もういいよ、サンキュー、美弥」

「………いえ」

氷柱は美弥から降りた。
そして、皆と並んで歩き始める。

「いったいぜんたい何処に向かっているんだ?全く掴めないけど」

「ああ、守護士用のレンタカーを借りにね」

氷柱の前をあるいていた環が振り向いて答えた。
その拍子に烈火が環の背中から落ち、ドサッと鈍い音を上げた。

「うおぁお!いってぇー!なにし

「レンタカー?」

「ちょっと遠いんだよ。仕事の場所が」

烈火の叫びは無視して、環と氷柱は続けた。

「ほー」

「あ、あったあったアソコだよ〜」

そこにはレンタカーショップがあった。見た目は何処にでも有りそうなレンタカーショップ。車もさほど変わった形はしていない。

「へぇ」

店に着いて、車を触って確かめてみるが普通の車と何処が違うのかがよくわからない。

「で、普通の車と何が違うんです?」

氷柱は環に尋ねる。

「ま、後でわかると思うよ?」

「後でわかるって……」

「マスター、これ借りるわね、料金は守護士本部請求で4649ぅ!!」

「いや4649じゃなくて」

「GO!!」

氷柱の話など耳に入れない様子の環は、守護棟のメンバー全員を車に乗せて、さっさと出発した。

「おれの話を聞けぇー!!」

出発した車はメーターで時速370kmを記録していた。
普通の道を走れば事故はまぬがれない。なのに全く接触する事はない。
道路が下に見えて、かつ360kmものスピードを出せる場所、そう、空中だ。
この車は5、6メートルほどの上空を飛んでいたのだ。

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あきゅろす。
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