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守護の鬼〜strange bloods〜
混血率と解放率...
「やっと二人っきりになれたね……」

「誤解を受けるような言い方で言うな」

「へへ」

先ほどの真剣な表情はいずこへ行ってしまったのか、環は片面を閉じ、舌をかるく出して、可愛らしくコツンッと自らの頭を叩いた。
氷柱はいい加減にしたまえとでも言いたげに冷たい表情をしている。

「はぁ……ふざけ過ぎたみたい。じゃ、本題に入るね?」

「頼みます」

環は、再び真剣な眼差しになった。

「氷柱くんさぁ、この前60%以上解放したでしょ?」

「やはり……その事ですか」

氷柱の目も真剣な眼差しになってゆく。

「ま、今回は軽い注意で済ますけどね」

氷柱の表情から堅さが消えた。
真剣な眼差しには変わりはないのだが、緊張が消えたという感じだ。何か心配な事があって、それが解決されたように見えた。

「ふぅ……安心しました」

「あ、やっぱり心配してたんだ?」

「そりゃあね」

守護士の中には寄神の子が少なからず配属されている。
氷柱と向かい合っている環も竜の子である。
その中には混血率と解放率と言うものが定められている。
混血率は何%の寄神の血が含まれているか、解放率は含まれている奇神本来の力に何%近付けるかという事を現している。

混血率60%以上は、訳あって世間には存在していない。
世間で確認されている最高混血率は環の59%。

「でもずるいよな。俺が60%解放しても環さんの通常と変わらないじゃないッスか〜」

そして、混血率が高ければ高いほど高律の解放が許されている。混血率が50%以上であれば100%までの解放が許されているのだが、氷柱の混血率は29%。
氷柱に許されているのは、58%の解放が上限である。

「確かにね〜氷柱君の上限が普段のボクと同じだもんね〜」

「ちくしょ〜」

「ま、規則は規則だからさ」

氷柱の背中をポンポンと叩いて環は慰める。

この前氷柱が解放したのは、ミノタウロスと対峙した時だ。
その時の解放率は64%。

「ま、氷柱くんの暴走はないと思うけどね」

解放率が定められているのには確かな理由がある。
その解放率を超えてしまうと、暴走の可能性が出てきてしまうのだ。
暴走すると歯止めが効かなくなり、自動的に100%解放を行ってしまい、人間をも襲い始めてしまう。

「ま、そうですけど」

「でも、規則は守ってねん♪」

「了解っす」

氷柱はそう言って席を立ち、設置されているキッチンへ向かった。

「それでさ〜もう一つ用があるのよね」

「ん、なんすか?」

氷柱は紅茶でも入れようとティーセットを棚から取り出しながら、環に背を向けたまま話を聞く。

「鬼幽科学の事件って覚えてる?」

「そりゃあ覚えてますよ。ここが壊されたんですから」

「うん、なら話は早いよね。」

そこに湯飲みしかなかったので氷柱は湯飲みに紅茶を注いだ。
湯飲みに紅茶はどうかと思うが。

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あきゅろす。
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