守護の鬼〜strange bloods〜 再びの... 「.....」 「さすが烈火だ。笑わせてくれるねぇ。」 烈火はこんな普段はふざけたているが、ふざけて、その場の空気を一掃できる最高のメンバーだ。 しかし、今は状況報告をせねばならない。ふざけている場合ではない。 「それより烈火。報告を急ごうぜ。」 ...............................。 「はぃ、処分は何もありません。大丈夫ですよ。」 一週間後、処分の結果が届いた。 氷柱達はあれだけの犠牲を出したというのに、氷柱達には、なんの処分も課せられなかったことに驚きを感じた。 むしろ、あの状況を良く21人の犠牲で切り抜けられたと褒められた程である。 だが、もちろんのこと、二人はスッキリしていない様子だった。 「もうコレから、こんな失態はしねぇ...」 県内の、守護士のいる町の守護棟で、今までの被害が最も少ないのは、氷柱達が配属されている、この、黒川町の守護棟なのである。 今までの滅多に死人を出したことなどない、彼らにとっては一人の死人も許されないのだ。 誉められたといえど、氷柱達にとっては、今の被害は大きな失態なのである。 「ちょっ...みんな...レーダーに...」 突如、沙奈が慌てたように口を開いた。 守護棟の中には奇神の襲撃を防ぐためにも、様々な最先端のハイテク機械が設置されている。 その中の一つ、《奇神サーチャー》と呼ばれるレーダーに、大きな気配が写しだされていたのだ。 しかも場所は守護棟の裏山の頂上だった。 「くっそが!! 次から次へと!どうなってやがる...」 氷柱達、守護棟メンバーはすぐさま、裏山へと向かう。 「また貴様か...ミノタウロス...」 「くくく...鬼のガキ...この前は不意をつかれたが、今回は違う...!」 「何を言ってやがる?6対1だぜ?お前に勝算はない。」 だが、ミノタウロスは余裕なのか、不敵にも笑みを浮かべている。 それもそのはず。以前の襲来は力不足を補充の為に、立ち寄った。 その力のないところの不意を討ちだった。 しかし、今回は違う。あの敗北後、様々な用法で力を補充した後の訪れである。 「それに、6対1でも、俺の能力を忘れるな?」 そう呟いたミノタウロスは、以前と同じく、多勢の小型分身を呼び出す。 能力的には以前と全く変わらない能力。 そう、見ただけなら、その違いはわからなかっただろう。 「殺れ...」 分身ミノタウロスは、本体の命令に従い、本体の意思で、氷柱を残し、守護棟メンバー全員を取り囲んだ。 「テメェ...なめるなよ...」 残された氷柱は怒りに震えていた。 ミノタウロスの能力は、分身に力を使い、自身の能力はそれほどでもない。 という能力。 その、それほどで強くもない本体と1対1を挑まれたからには、プライドを傷つけられたに違いない。 「鬼のガキ...テメェは俺で倒さねぇといけないんでな...」 「意味がわからねぇよ!!」 ブースターで、加速した氷柱は、ミノタウロスが瞬く間に背後まで回り込み、肘打ちを決めた。 ただそれだけで、攻撃は一時停止する。 そして、氷柱は、ミノタウロスの目の前に着地した。そして放った。不敵というより、相手をなめきった笑みを...。 「こ、このガキがぁ〜」 [*前へ][次へ#] [戻る] |