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守護の鬼〜strange bloods〜
守護棟...
某県黒川町守護棟――



「つらら!そっち行ったぞ!...任せた!」

「任せたって...そんな簡単に言わないでくださいよ...ね!」

強力な斬撃が放たれる。それは見事に目標を捉え、目標は消失した。

「ふぅ...これが最後ですね...。」

今回の仕事はある高校に現れた小型の人喰い鬼、ジョバの群れの討伐だ。
敵ははたいてい一体で襲って来る。しかし今回は群れで襲って来た。ジョバは群れで行動する鬼だ。おそらく一体の血がうずき、それが群れに伝染して群れで人を襲いに来たのだろう。
だが無事、校舎内に鬼を入れる前に討ち果たすことが成った。

「さて...戻るかな。」

.....................................................。

この世にひっそりと暮らし人前にほとんど姿を表すことのない不可思議な存在...奇神...
それらは時に眠っていた狂気の血がめざめ、人を襲い、人を喰らう。
今まで幾度となく強大な存在が人前に現れ、悲劇が引き起こされてきた。
その悲劇を二度と繰り返さないために作られたのがありとある市町村に設置された守護棟なのであるが......。

「あ...おかえりなさい...フワァー」

守護棟に戻った氷柱達を大あくびで待っていたのは西宮沙奈(にしみや さな)。氷柱と同い年の17歳。小柄だが、美しい黒髪を長く伸ばして、顔立ちもよい。表現技法を使うならば美しいという言葉が似合う少女だ。

「おいおい...そんなたるんだことしてると敵の襲撃に反応できねぇぞ?守護士たるもの準備をおこたらず。だ。」

彼は、ニール・バンパー。24歳。
氷柱達の働く守護棟ではNo.1の実力者。
名前は外人ではあるが、顔は日本人とさほどかわらない日系アメリカ人である。

「は〜い。すみませ〜ん。これからは気をつけますよ〜。」

しかし沙奈は全く聞く耳をもってない様子だ...。
...普段は以外としっかりとしていて、仕事をこなすのだが...沙奈の朝は怖い。氷柱は以前、寝坊した沙奈を起こそうとしたら殺されかけた事がある...。相当な実力者だ。

「ったく...さっきの仕事、弱い相手とはいえ、二人じゃキツかったんだぞ?頼むよ...な?」

「う〜ん...じゃ、敵が来たら聖が起こして...起きるから。」

「え...?なんで俺?他の人でもいいじゃん?」

氷柱は心の中で、

(第一他の人は自分で起きて自分で敵と戦ってんだ。俺が起こさなければならない理由が何処にある?それにこの前寝ぼけて俺を半殺しにしたじゃねぇかよぉ。)

と、理屈をこねていた。

「まぁまぁ...起こしてって言うなら起こしてやればいいじゃないか。」

らしくないことをニールがつぶやいたので、氷柱は少し驚いた。...ニールはそういうことは、いつも大事にするタイプだったからだ。

「わかりましたよ...ニールさんが言うなら...はい。」

「だってよ。よかったな。沙奈?」

「え...あ...」

ニールが何かひやかす感じで沙奈に言うと、沙奈は顔を真っ赤に染めて自分の部屋に戻ってしまった。

「どうしたんでしょうかね...」

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あきゅろす。
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