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守護の鬼〜strange bloods〜
本体....
「邪魔!邪魔!壁!邪魔だああぁ!」

氷柱は、空を飛ぶこともやめ、迷路を辿ることもやめ、壁を突き破って進むことにした。
烈火も壁を突き破って氷柱に近づいた...ならば、壁には四次元は作用していないのかもしれない...という単純な発想だが、いずれにしてもコレしか方法はない。

「急がねぇと...被害が...」

「匂いが近づいて来たぜぇ...次ぃ!!」

鈍い轟音を立てて分厚い壁が破られる。
壁の残骸の先には巨大な角を生やした鎧の化物。
氷柱の発想はビンゴだった。

「壁の中までは四次元がめぐってなかったみてぇだなぁ...」

「な...ウソだ....まさか...そんなハズは...」

「ふっ...手っ取り早く終わらせてやるよ...らっ」

地面を蹴った衝撃で、氷柱の足元が窪み、地割れが走る。

「う...近寄るなぁ...」

しかしそうは簡単にいかない。瞬時に分身を作りだして氷柱を襲うよう、しむける。

「クソがああぁ!!」

氷柱は、蒼炎の拳で次々と分身を潰してゆく。

「ふんもっふ!」

最後は炎弾で締めくくる。

「バカな!?全て破壊しやがった...」

「だぁらぁ!!」

終わりだとばかりに、氷柱は、武器ホルダーから、日本刀を手に取り、ミノタウロスの脳天めがけて振り下ろす。

「ちっ...」

しかし、日本刀はミノタウロスの脳天を捉えられずにミノタウロスの斧によって防がれた。

「らっ...だぁ!」

二度、三度、鉄と鉄とが擦れる音が、鳴りひびく...
やはり本体もそれなりの身体能力はある。一筋縄では終わらせてくれそうになかった。

「ぬん!」

再び金属が高い音を上げて響きつばぜり合いとなった...。
思念体を使った消耗を感じさせないミノタウロスの体捌き....氷柱は予想以上に強いので、戸惑っていた。
しかし、それも一瞬だった。急にミノタウロスから力が抜けたのだ。コレは烈火が、最後の分身ミノタウロスを倒した瞬間の事である。

「どうしたんだ...とちかく....うぉらあ!!」

氷柱は日本刀でミノタウロスの斧を力で押し返して距離をとった。
先ほどまでは、ミノタウロスの斧を、力で押し返すなど不可能に等しかったがミノタウロスの力が抜けている今なら押し返す事が可能となった。

「....まさか...この現象は...そんな...」

ミノタウロスは分身が倒されたなど、信じられない様子だった。もうどうすることもできず、うろたえるだけだった。
氷柱は、その事を理解してはいないが、今がチャンスとばかりに、日本刀を持った掌に力を込めて炎を纏わせる。

(く、クソ...このままじゃ確実に......殺られる!)

ミノタウロスは突如、四次元空間に切れ目を付けた。そして、だんだんとその切れ目へと姿を消してゆく....。

四次元は様々な場所へ繋がっている。それを利用してミノタウロスは何処かへ飛ぶつもりなのだ。

「クソッそんなことさせてたまるか!!」

氷柱は、最高速度のブーストでミノタウロスへと肉薄して刀を振り下ろす!

........爆音を立てて纏った炎は爆発...これを受ければ、瀕死は確実...。

「........逃がしたか...」

だが、その場には四次元の切れ目だけが残っていた。ミノタウロスの姿は影も形もない。
いくら氷柱といえど跡形もなく殺すのは不可能。
しかし何処に逃げたのか?それが氷柱の気がかりだった...しかし、それ以上の気がかりは...

「四次元は直んのかな?」

が、その心配は無用だった。


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あきゅろす。
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