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守護の鬼〜strange bloods〜
失踪...
氷柱が気付いた時にはミノタウロスの姿が消えていた。ミノタウロスは、矢で氷柱の視界と動きを、遮っている間に移動したのだ。

「クッソオォォ...これが本気ということかよ...待てやぁ!!」

氷柱は矢に隙ができた所で、ミノタウロスを追おうとして風壁を解いた。
しかし...
ドスッ

「!!?...っ」

鈍い音がした...何か冷たいモノが腹に入っているような感覚...しかしそこは熱くも感じる...

「げほっ...」

口から反射的に、熱い液体が溢れ出してくる。
氷柱の左脇腹を矢が貫いていたのだ。
そう、コレがミノタウロスの能力...自分自身はそれほどの強さはないが、小型分身、つまり思念体を自在に操り、相手を翻弄する...これがミノタウロスが恐れられるゆえんでもある。

途端、両脇から氷柱を囲むように再び無数の矢の林...

「こんなモノ!吹き飛ばしてやる!飛翔...竜巻!!」

この竜巻によって矢の八割は吹き飛んだ...が間を開けずまた、矢の林が氷柱はを襲う...氷柱の防御は...完全に出遅れた!!

「クソッ間に合わね....」

風壁で身体を囲もうとするが...半分しか、短時間では作成できなかった。氷柱の背後はがら空きだ。

さすがの鬼の子でもこれだけの矢を受ければ命の保障はない。
だが、氷柱には余裕があった。
何かを確信しているかのような余裕な笑み。

バコオオォ!!!!

横にそびえ立つ白い壁から紅炎が轟音を立て、凄まじい勢いで吹き出してくる。
そして、その紅炎は氷柱は襲う矢という矢を全て焼き払った。

「やっぱな...匂いで気付いてたぜ...遅ぇんだよ!」

「ニヒヒッ...ざまぁねぇなぁ!氷柱ぁ!」

烈火はそう言いながら、弓を持った小型ミノタウロス達の前衛を紅炎を纏った拳にを振るう。
殴られた小型ミノタウロスはまるでボールかと思うほど、あっけなく飛んでいった。

「氷柱!ミノタウロスの野郎は?!」

「この小隊を身代わりに姿を消しちまった...」

「そうか...なら...お前捜しに行け。」

「え...お前は....」

烈火は言葉では言わなかったが目では「行け」と言っていた。氷柱は、それに従うことにする。

「わかった!任せたぞ...」

「ああ...ココは俺が...片付けとく!!」

烈火はそう言いながら爆炎を吹き出して、周りの小型ミノタウロスをなぎはらった。

...................................。

「クソッどこに逃げやがった...?」

小型ミノタウロス達...とは言っても普通の人間程の大きさはある。
それの駆除を烈火に任せた氷柱は両脇にそびえる高き壁を飛び越え、上空からミノタウロスを探すことにした。
これ以上、敵に時間をやれば被害はどんどん拡大してゆく。
一秒でも無駄にしている時間はないのだ。

「ちっ...上からも攻めて来るのかよ...」

しかし、敵は、そう簡単に阻止させてくれそうにもなかった。
上からも小型のミノタウロス共が攻めてきた...否...降ってきたと表したほうが正しいだろう。全く空中でのバランスが取れず、落ちているだけだからだ。...ただ、斧を持っているのは危険なので、一応の注意は払うが。

「バカな本体だ...空中じゃ、避けられなくて意味ねぇだろうがよ!...吹っ飛べ!炎柱!!」


両腕に蒼炎をため、その炎を同時に放射する...
巨大な蒼炎の柱が無限の空へと向かって伸び、小型ミノタウロス達を飲み込んだ。炎は一瞬のうちに彼らを灰に変えてしまう。

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あきゅろす。
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