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守護の鬼〜strange bloods〜
烈火...
「消えろ!雑魚共ぉ!邪魔なんだよおおおぉ!!丸焼きだ!!!!」

烈火はそう叫び、口に大きく息を溜め込む...そして...

「竜息(ブレス)!!!!」

高熱の炎の大砲が烈火の口から放たれる。
その高熱で凄まじい勢いの炎は偵察型ミノタウロスに防御するヒマさえ与えず、群れごと飲み込んだ。
そして...烈火の宣言の通り、全ての偵察型ミノタウロスは丸焼きになって転がてしまう...。

「ふぅ...料理完了!。こんがりとな...たいしたことなかったな...さて...血の匂いはどっちだ...?」

烈火は目を閉じて、鼻の神経を極限まで活性化させた。

「あっちだ...待ってろやぁ!ミノタウロス!」

烈火も人の血の匂いの元へ向かって駆け出した。

「ヒトを好き勝手に食わせてたまるか!」






「クソッ...どっちだよ...」

氷柱は未だ、ミノタウロスを見つけられずにいた。臭いは近づいているのだが...迷宮である。同じ所を回ってるように思えてきた氷柱はイライラし始めていた。

氷柱は迷路が苦手である..雑誌等に載ってる迷路もクリアできるのは毎回守護棟でビリになってしまうのである。

「あ、お兄ちゃん助けて!!」

(この子は...さっき烈火が風船をとってやった...)

そう、それは先ほど烈火が風船をとってあげた子供だった。

「どうした?」

その子供は氷柱の後ろに隠れるようにして、前の方向を指さす...しかし何もない。

「ん...?...なんにもな...っ!!」

と、氷柱は、頭上から何かの巨大な気配を感じとった。
氷柱ははとっさにその子をかかえてそこから一歩遠のく。
氷柱が0.5秒前までいた場所には巨大な斧が床にめり込み、半径5mほどが消しとんでいた...

「そちらからお出ましたぁ...探す手間が省けたぜ...」

さすがに噂高きミノタウロスの力...かなりの破壊力だ。
今の攻撃を受けていたら氷柱といえど、相当のダメージになっていただろう。

「キヒヒヒ...人間の味は久しぶりだが美味いぜ...」

ミノタウロスはそう言って、左腕に抱えていた女性をバキバキ...とグロテスクな音を立てて喰らっていく。

「お、お母さん!!」

「なっ...」

それはこの子の母親だった。先ほどは侮辱を受けた。だが、
そんなの関係ねぇ
とばかりに怒気の視線をミノタウロスへとぶつける。

「テメェはこの子の母親を...大切な人を奪ったんだ...絶対に許せねぇ...」

「おい!小僧!ごたくこねてないで、そのガキもこっちに渡しな!俺の獲物だ。」

「やだね...って言ったら
?」

「貴様ごと食ってやるさ...」

狂気に包まれた奇神は人に飢えている。一度こうなったら満足するまで、人を喰い続ける。

「そう...か...その前に...お前何人の人を食った?」

「ん?1、2、3...わからないな...だが、まだ食い足りねぇんだ」

(クソッ...こんなに被害が拡大してようとは...)

ここで押さえないともっと大変なことになる...
氷柱はこの巨大な二足歩行の牛を止められるかという不安があった。
巨大な斧をどうやってやり過ごすか、それが問題だ。ソレを喰らったらひとたまりもないだろう。

「で、俺達を食おう...と?」

「そうだ...」

「なら...逆らうまで!」

「うぉ!?」

氷柱はは手のひらに蒼炎を集め、その弾をミノタウロスへと向かって、噴射した...

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