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エストレーアへ
傭兵王国エストレーアの片田舎は、

普段穏やかな日々が続いていた。

最近そこの教会から青年の大声が教会の外にも聞こえそうな、声が聞こえてきた。

「なぜ、俺がシクサールに行ったら行けないんだ」

赤毛の青年がおっとり穏やかな女性に向かって声をあらたげていた。

それもそのはず

ここ数日前から否定されてばかりいては彼も嫌々声を荒たげてしまう事だろう。

「リアン なぜですって?」

小柄な女性はリアンに冷静だが、
語尾を強く聴いていた。

「あなたは此処を継ぐ気はないの?」

「神父様がお亡くなりになって、早5年の月日が経ちました。

そして貴方はその為の準備をしてきたでしょう。

なぜ今になってあそこに行こうとするの?」

彼女の言い分は正当だった。

神父様が無くなり、彼女がこの教会を守っていたし、

リアンがこの教会を継ぐと言い出したときからそのための準備や教育もしてきた。

若干17歳で教会を継ぐのは早いと思っていたが、

事情が許さなかった。

孤児院の役目もしてきたこの教会にとっては神父も必要だったが、主柱と言える男性が必要としていた。

そして
田舎ゆえに中央の神父が来たがらない事もあって、

彼が言ったときは本当に年甲斐も無く泣いたものだった。

その彼が今になってシクサールに行きたいと言われては、

動揺もする。

あそこに行くと言うのは、
冒険者になる事を意味するからだ
だからこそその心変わりを聴きたかった。

リアン自身、黙って言わなくても行っても良かったが、言わないと後悔する気がしたのではっきりと心の内を言う事にした。

「ミーナさん。俺だって忘れているなんて言わない。

でもこの教会の倉庫でこの本を見つけたんだ!」

リアンはミーナにその本を手渡した。

ミーナは開けようとしたが本が否定したのか?

わからないが、開かなかった。

「開かないじゃない。この本がなんなの?」

リアンに手渡すとリアンはその本を開いた。

「やっぱり・・・まぁいいや

この教会武神の神を本来祭っていたらしい

この教会の初代の神父は強くて大らかな聖戦士だったらいんだ。

今からその修行をしたいと言っても凄く時間がかかるから、少しでも早くこの教会を建て直すためと、
今守護して下さる神と昔からこの地を守護している神の為に行きたいんだ。

そしてこの本をなぜか自分だけ開けれるから、やってみたいんだ」

「自分だけって、他の子にもためしたの?」

「ああ」

「弟や妹たちにやってもらったが俺以外には無理だった。」

弟や妹と言っているが血がつながった物は誰もいなかったが、本当の肉親以上の繋がりは強かった。

ミーナ自身心配が大いにあった。

「学校と名がついてはいるけれど、生命の危機もあるのよ」

「知ってる」

「本当は止めたいし、あなたが毎夜剣の修行をしているのは知っているから本当は冒険に行きたいのではなくて?」

リアンは小さい時から運動神経が良くて、神父が生きていた時は、冒険に行きたいといっていた。

だからこそミーナはそれを知っているが為に、昼間は、その行為を止めていたけれど、
彼ががんと言ったことはてこでも動かない事は、
赤ん坊の時から育てた彼女にとってはわかりきった事だった。

「知っていたの?」

ばつが悪そうに上目遣いで聞いたが、

変なところはとろいと言うかそんなところは昔から変わっていないとミーナは思った。

「何年あなたと一緒にいると思っているの?
仕方ない子ね。」

「じゃあ」

「あなたの人生だから私が止めるのも変でしょ

天の父は私たちに自由意志という立派なプレゼントをくださいました。

でもむやみに殺生はしないことと、学校が卒業したら進路は後回しで一度此処に帰ってくる事
約束できる?」

「もちろん

神父になる夢も忘れてないし、此処を立派にする夢も忘れてない。
だから俺行くわ」

「あの子達が寂しがるわよ」

リアン自身ここではミーナに続いて一番の年上だったし、弟や妹たちには気さくな良い兄貴分をしていたので
寂しがるのは知っていた。

「あ〜
おれもあいつらに逢うと多分決心が鈍るから
悪いけど頼むわ」

軽く拝むようにミーナに願った。

「数年で必ず戻ってくるし、年に一回は戻ってくるからさ
永遠の別れじゃない
だいじょうぶだから」

彼女はリアンに少し小ぶりの袋を手渡した。

受け取るとずっしりとした感触が手に感じた。

「ミーナさん。駄目だってこんなにもらえない」

「大丈夫です。何かの為に貯めていたのよ。
しっかりとがんばって行ってらっしゃい」

リアン自身わかっていた
貧乏なこの教会の蓄えではかなり厳しいはずだった。
でもどうやって貯めたのかは聞かないことにした。

リアンは眼に涙を貯めていたが、子供たちが遊びから帰ってくるまでに出るといって教会から出て行った。


「私たちのお父さん
あなたの一人子でもあられるリアンが此処から旅立ちました。

この教会にあのような本があったのはビックリでしたが、
あなたの家にあって開けるというのは何かあるのかもしれません。

出来れば平穏無事なこの村で過ごしてほしかったけれど、どうかあの子の行く末を見守って守護して下さい
アーメン」



教会を出たリアンは、自分のこの日の為に準備した装備を手に取りこの村を旅立った。

リアン戦士LV5
装備 武器 ソード
   防具 レザーアーマー、バックラー、バックパック(冒険道具一品)
金銭 150G

絶対に凄腕の戦士となりこの教会を守って見せる。

リアンは心にそう近いエストレーアに向かった。


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