治療法
「愛のお言葉」(二宮ドクター)担当Ver
[ずーっと。そばにいてくれるだけでいいんです。]
「和・・・?」
ピコピコ・・・。
「和也?」
ピロン・・・。ピロン・・・。
「二宮さん?」
ピーッ・・・
「・・・和!」
和:「何ですか!?今、いいとこなの!」
「彼女いるんですけど!」
和:「それが何か?」
傷つくんですけど・・・。
「そっ・・・そんな言い方ないじゃない!」
キッと、うっとおしそうな目で睨まれた。
誰が家に来いって呼んだんだ!
あたしは怒りと悲しみがこみ上げてきて、和のベッドに寝転んだ。
そして、気づかないうちに眠ってしまっていた。
和のにおいが染み込んでいるクッションを抱きしめて。
「ッッ・・・。ぁ。寝ちゃった・・・。」
ベッドから起きると部屋は真っ暗で、あたしがベッドを占領してしまったため、和はソファーで寝ていた。
携帯を開くと、午後11時とあった。
「ベッド、取っちゃってごめんね。和。」
と眠っている和に謝った。
そして、和を起こさないようにそっとベッドから降り、リビングのドアに手をかけた。
和:「・・・帰んの?」
「和!?」
ソファーの方を見ると眠そうに目を擦る和が目に入った。
和:「今日はもう、泊まっていきなよ。明日は仕事じゃないんでしょ?」
「まぁ・・・。でも、大丈夫だよ!帰るね!」
和:「大丈夫じゃねぇだろ?」
「だぁーいじょー・・・。」
和:「俺が大丈夫じゃねぇんだよ!」
あたしの言葉を遮って和が言った。
「え?」
和:「こっち来て?」
あたしは素直に和の元へ向かった。
和:「ごめんな。俺が呼んだのにほったらかして。」
「ううん。大丈夫だよ。」
和:「お前、いつもいつも大丈夫って・・・。」
「本当に!大丈夫。」
和:「・・・ありがとう。」
と、和はあたしを優しく抱きしめた。
和:「俺のクッションなんかより、こっちの方がいいでしょ?」
あたしはコクコク頷いた。
久しぶりの和のにおいで目頭が熱くなる。
「ねぇ、和。」
和:「なんですか?」
「もぅ、ゲームばっかりしないでね?」
和:「ぅーん・・・。無理ですね。」
・・・・はぁ?
「・・・・。」
和:「冗談だって!気をつけるから。」
「ありがとう(笑)」
和:「もぅ、寝よっか。」
「うんッ!」
二人でせまいベッドの中へ入った。
そして、あたしは和に抱きつく。
和:「お前抱きつくなよ!クッションにしろよ!」
と無理やり引き剥がす。
「やだぁー、和がぃぃ〜!」
とくっ付き直す。
和:「はぁ〜。」
しばらく和の抵抗が続いたが堪忍したのか動かなくなった。
かと思うと、寝息が聞こえ始めた。
「和・・・今日、何もできなかったね・・・。お家デートだったのに。」
と眠っている和の背中に話しかける。
和:「・・・そんな事ないですよ?」
「・・・まだ起きてたんだ。」
和:「まぁーね。」
とこちらに体を向けた。
和:「今日は、楽しかった。」
「なんで?何もしてないよ?」
和:「あなたが、ずーっと。そばにいてくれるだけでいいんです。俺が何してても・・・ね。」
「和・・・。」
和:「さッ、今度こそ寝ますよ。」
「・・・うんッ!」
ずーっと和のそばにいよう。
そう思った夜だった。
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