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バサラトリップ
2墜落

なんとか空中で体制を整えた私は、止まることなく、底無し谷を落ちていった。
本当にそこが見えない…

不安が募る一方で、諦めかけていると、突然、暗黒から眩しい光が見えた。

「うぁ、眩し…い」
光の中に入ると、視界はやがて暗黒から爽快な青い空となった。下には川や大地がみえる。
「ん?戻って来たの?」
しかし谷や友人は見当たらない。スピードは上がっていく一方。つまり
「あれ、このままじゃ大地に追突…。やだあああ!」
きやあああぁ…

叫び声は絶えず響いた。


一方、上田城では、一時間前から槍を振り回すものがいた。
「ぬおおおお!やっ、はぁっ!」
「…頑張るねぇ、旦那」
「当然のこと!この真田幸村、お館様に仕える者として訓練を怠ることはできぬ!」
「訓練ねぇ…」
「それより佐助、今日は仕事はないのか?」
「今はね、いつ任されるかわかんないし」
「そうか、では相手をしてくれぬか?」
「えぇー!?せっかく仕事ないのにぃ。俺様寝とくよ」
「なぬ!?団子をおごるでござるよ?」
「旦那がそんなことするわけないでしょ?どうせ必然的に俺様がはらうのさ、そう俺様が…」
「暗いでござる」
「旦那のせいだよ」
「いや、空が暗いでござる」
「…え?」
その瞬間、何が起こったのか解る訳もなく一瞬にして幸村が後ろに倒れた。
「だ、旦那!?」
「ぬぅ、何が起きたでござるか」
「あたた、痛いってば」
「誰この子」
幸村の上に倒れていたのはまぎれもなく琴吹
梨恵だった。

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