夢小説
上々(戦)
膝の上になにやら重いものが乗っかっている。
「んが」
柱にもたれて寝ていた私は、ようやく目を覚ますと「ゲッ、ヨダレ垂れてる!」と、急いで着物と口を拭いた。
「あっぶない…、あれ」
気づいたら膝に見覚えのある人が気持ちよさそうに寝ている。
「…、何勝手に人の膝の上に寝てんの」
私は冷たい視線をそいつに浴びせた。
しかし、一向に起きる気配がない。
それどころか、寝返りしてまだ気持ちよさそうに寝ている。
「……うんぬぅ!」
私は何とも言えない声を出しては次に大声で叫んだ。
「どこの国の大将が下の者の膝のうえに頭をのせるか!」
「うるせぇな…。いるだろ?ここに」
そう答えながらだるそうに腕を上げ自分の頭を指した。
「あぁそうね…。って違うわぁ!」
「だからうるせぇってんだろうが!第一、お前はもう女中じゃねえよ」
…
「…は?」
「だから、お前はもう下位の人間じゃねぇんだよ。
you see?」
「分かるわけないだろ」
確かに私は奥州を制するこの伊達政宗にこれまで一度も敬語をつかったことがない。
それでか?
「スミマセンデシタ。私語ハツツシミマス。オ許シクダサイ」
「カタコトで言うなよ。てか誰もリストラするなんて一言も言ってないぞ」
「わからない!どういうこと!?もっと下になるの?」
「落ち着けって!誰もんなこと言ってねぇつってんだろ!しかも涙腺切れかけじゃねぇか」
私はとりあえず、落ち着きをとりもどし、涙を拭った。
「…いいか、俺はお前に゛もう下位のにんげんじゃない゛って言った。それは別にお前を下ろすんじゃなく、追放するのでもない。じゃあなんだと思う?」
「牢獄行き」
「NO!誰だ!こいつをこんなマイナス思考に育てたやつは!?」
「小十郎と政宗」
さらっと答えられ、一瞬にして気力と言葉を失う政宗。
「…んだよ」
「え、もしかしてキレた?」
「結ぶんだよ、お前と、紀と」
政宗が最後まで言う前に私の視界は暗くなった。それが政宗せいだと言うのは言っておこう。
ただそれから後の出来事は話すには結構恥ずかしいことだ。
「…て、なにしてんの!」
「あ?だから英語でいうならキ」
私は政宗の言葉を遮って、口元にパンチを入れると、
「どこの国の大将が軽々と下の者にチューなんてするか!?」
「いるだろ?Here」
あぁ、なんか最初とパターンが…
「でも小十郎…」
「NO!言うな!」
噂をすればなんとやら、
彼は障子を大きな音を立てイカツイ顔をして出てきた。
「…政宗様、どういうおつもりですか?」
「い、一部始終だよな?」
「いいえ、全部です」
「一部!」
「全・部!」
そこから彼らの生死をさ迷う鬼ごっこが始まった。
この話は伊達家部下全員聞いていたため、確定になったが、その承諾を得るまで、軽く1週間はかかったらしい。
後書き
初めてチュー小説かいたけどま、いいや!
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