Sae's Bible
玉座の間

そんな調子で罠のある部屋を次々とスルーしていくと、
玉座の間の扉の前でキムーアが足を止めた。

「…ここだ。おい、ポニテ。
お前めちゃめちゃ弱いけど一応、一応、
エデンの魔導師だよな。」

キムーアは『一応』を強調してサエに言う。

「なんで一応を強調!?一応やなくてちゃんとしたエデンの魔導師やってば!!」

「…そうか。」

「なんなん?何かあんの?はっ!まさかこの部屋にも罠が!?」

「ここには罠は一切無いと言っただろうが、人の話はちゃんと聞け。
まぁ、少々いたずらをされてな…魔法陣を描かれた。」


「「「魔法陣!!?」」」


3人は驚きのあまり声をあげた。

「あの…その魔法陣はもしや…」

「人々が消えた日に…エデンの魔導師と名乗る男が描いたものです。」

「私もナーナリアもオリジン魔法はさっぱりでな…だがこのまま放っておけんのだ。
父の形見を取りに行けなくては困るからな。」

「んな危ない所に形見を置いてきたのかぁ!?バカじゃねーのアンタ!!」

「いつもは持っていたのだがあの日だけは外していてな…。
だからポニテに聞いているんだ、お前…あの魔法陣を止められるか?
無理ならば諦める。」

キムーアが真剣な表情でサエに問い掛ける。

「やるよ!!大事な物やねんやろ?
それに…エデンの魔導師を名乗るなんて許されへん…私が絶対止めてみせるっ!!!」


「おい!やめとけって!アポニテにゃ無理だってぇ!
諦めるって言ってんだからいいじゃん!」

「そうよ、サエ。無理しないで。
出来ない事を引き受けて期待させるのは可哀相よ?」

「何事も諦めが肝心です。
もともとミナルディ様の不注意でしたから…仕方ありません。」

3人が止めるよう促すがサエの決意は固かった。

「わからへんやん!!!やるだけやる!!私、何もせんと諦めんの嫌やねん!!」

「…よし。もし、身の危険を感じたらすぐに出てこい。私達は扉の外で待っている。」

「…うん!任して、必ず止めてくるから!」


そういうとサエは一人、扉を開け中へ入っていった…。



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