Sae's Bible
お遊び

「あ……ぐぅっ……」

「貴様ら…戦闘体勢を解け。ナーナリア、こっちに来い。」

「ちっ…姫様を放せ!」

「そうやそうや!ジュリーに剣を向けるなんてひどいやろ!」

「黙った方が身のためですよ。」

ナーナリアはサエ達に矢を向けながらキムーアの元へゆっくりと退く。

「…早くしろ。私はあまり気が長い方ではない。」

「いたっ……くぅっ…」

「っ!…サエ、杖を捨てろ…」

アキルノアはジュリーの首から流れる血を見て、仕方なく両手を挙げる。

「なっ!?何してんだこのアポニテっ!!」

「ごめんアキルノア、私こうゆうやり方って許されへんねんっ!仲間を人質にするなんて最低やもんっ!
早く…ジュリーを離してっ!
こんな卑怯な事せな勝たれへん臆病者めっ!」

「………。」

しかしサエは杖を捨てなかった、それどころかキムーア達に杖を向け睨み付ける。
するとキムーアが突然げらげらと笑い始めた。

「何なん!?何が可笑しいん!?」

「ぶっくくく…いやぁ、すまんすまん。一度やってみたかったんだ、超帝王 シバキタオスンジャー。」

「はぁ?」

サエは意味がわからず首を傾げる。

「フッ…お前にはわからん。
シバキタオスンジャーは奥の深い物語だからな。
サエ、そしてレニセロウスの姫君とその従者…私の遊びに付き合わせて悪かったな。」


「「「…遊び?」」」


サエ達はキムーアの言葉に声を揃える。

「申し訳ありません。
貴女方が此処を調べに来たのは私の式符で知っていました。
ですが、ミナルディ様がどうしてもいじり倒したいと…。」

「本当にすまなかった。
ジュリー姫、サエ…とお前誰だっけ?」

「アキルノアですぅっ!!
ちょっと空気になってたからって忘れないで下さいぃっ!!」

「やーい空気ぃ〜!!って、アレで遊びやったん?私めっちゃ本気やったのにぃっ!!!」

「二人共やかましいわね、口にジッパーを付けてあげましょうか?」

「「すみませんでした。」」

黒い笑みを浮かべるジュリーにサエとアキルノアは頭を下げる。

「コントは終わったか?
では宮殿に案内しよう、喉渇いたしな。」

「ミナルディ様、普通は客人をいたわるものです。」

「あぁ?姫君さえ丁寧に扱えばあとは別にいいだろ。」

「それもそうですね。」

「おいぃいいいっ!!それおかしいでしょっ!少なくともサエと同じ部類に括られるのは嫌だっ!!」

「ちょっアキルノア何気に酷くない!?私だってアキルノアと同じ扱いされんのなんか嫌や!!」

「ではジュリー姫、アホと馬鹿はほっといて行こうか。」

「うふふ、そうですね。ジュリーで結構ですわよ。」


「「無視かぁあああああっ!!」」



スタスタと宮殿へ向かう3人に叫ぶサエとアキルノアであった。

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あきゅろす。
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