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蒙祥大学教授殺害未遂事件
蒙祥大学では、牙を剥いた石橋教授と沙里奈が対峙していた。
「共犯者なら、容赦はしない。」
沙里奈は警棒を取りだし、石橋教授に対抗した。戦いながら石橋教授が話した。
「私はこの世界に不満を感じていた。」
沙里奈も戦いながらそれに返す。
「何故?」
「当たり前だ。公開する情報の操作によって人々は洗脳され、少しでも政府を批判する文書は出版を許されない。私は元々、情報システムを専攻、研究していた。だが、政府からの命令で私は研究分野を変えざるを得なかったのだ。何が理想郷だ。何が夢と希望に溢れた都市だ。聞いて呆れる。政府は人民を傀儡化し、自由を奪った悪魔だ。この町は地獄でしかない!」
沙里奈は石橋教授のあまりの剣幕に一瞬怯んでしまった。
石橋教授はそれを見逃さなかった。カッターの刃が深々と沙里奈の左腕に突き刺さった。
沙里奈は悲鳴をあげ、その場に伏した。その間に、石橋教授は窓から飛び降り、下に止めてあった大型のバンに西村とともに乗り、そのまま逃げていった。

「さて、始めるか。」
本田はある金融会社の入り口に立っていた。
その金融会社は本当のターゲットである金井祐太郎が社長をつとめている。
本田は普通に入り口の自動ドアから入り、一番右端の窓口に座り、受付を済ませた。
大きな会社なので、相談は個室でやるらしい。これは本田にとって、かなり好都合だ。
しばらくすると、担当者の今川拓矢(25)が本田の前に現れた。
今川は丁寧に挨拶をすると、本田を奥の個室へと案内した。
「さて、始めましょうか。本日はどういったご用件で。」
今川はわざとらしく下手に出て、本田に話をさせた。
「決まってんだろ。お前の会社の社長を殺りに来た。」
今川は「冗談はよしてください。」とそれを軽く受け流した。
刹那、今川の首筋を通る頸動脈がいっぺんに両側切られた。切り口からは止めどなく、どろどろと真っ赤な鮮血が滴り落ちていた。
「な、何…を…。」
今川はかろうじて出せる声で本田に聞いた。
だが、本田は何も言わずに今川の喉に果物ナイフを突き刺し、「喋るなよ。」と言った。
今川は未だに絶命できずにいた。チラチラと監視カメラの方を見上げて、何かを訴えている。おそらく監視カメラの映像を使って、助けを呼ぼうという魂胆だろう。本田はそれを見越して、絶望を与えるようにこう言った。
「監視カメラは無駄だぜ。全部止めてあるからな。」今川はだんだんと動かなくなってきた両目で理由を聞こうとした。本田はそれも見越してこう言った。
「なんでかって?こっちには凄腕のハッカーがいんだよ。てか、お前しぶといな。苦しいだろ?大丈夫、今楽にしてやるから。」
本田は黙って果物ナイフを今川の両目に突き刺し、止めに心臓を一刺しし、今川を殺した。
本田はその後、今川の指を全て切断し、袋に入れた。さらに上着からカードキーを取りだすと、何事も無かったかのように上へ向かった。
社長室はどうやら18階、つまり最上階のようだ。本田はエレベーターを探しだし、18階へ向かった。
18階に着くと、真っ直ぐに社長室へ向かい、扉を開けた。

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あきゅろす。
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