水色の雨T ポツポツと降り始めた雨はやがて音を立てて激しく降りだした。 「あ〜あ、憂鬱だなぁ。」 私は雨の降る外を眺めて言った。 この世は退屈と憂鬱で出来ている。と言っても過言ではないかな?なんて。 毎日が同じことの繰り返しで、新鮮さがない。だから目標って失いやすいんじゃないかな。 まあ、あくまで私個人の意見だけどね。 あ〜あ、何か刺激になること無いかな〜。 「あの、すいません。」 突然後ろから声をかけられた。 あ〜、これはあれだ。少女マンガとかでよくある“振り向いたらイケメン”っていう奴だ。 振り向くとそこにはやっぱりイケメン…ではなく、坊主頭のかわいい野球部が立っていた。 へぇ、意外な展開。しかもこの子かわいいし。 「何かしら?」 「これ、落とし物っス。」 お気に入りの黄色いハンカチを彼は優しく渡してくれた。 「ありがとう。」 私はお礼を言い、立ち去る野球部の彼に手を降った。 あ〜あ、今のはちょっと良かったけどイマイチかな。もっと刺激が欲しいな。 午後の授業も何もかもいつも通りに何事もなく過ぎていった。 雨はさらに強くなっていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |