弱小高校野球譚 四回表 日が高くなっていた七回 石田の左肩に王麗の選手の打球が直撃した。 荻野「竜さん!!」 荻野が駆け寄ろうとしたが、 石田「バカ野郎!インプレー中だ!ファーストが持ち場を離れるんじゃねえよ!」 石田はボールを拾い、ファーストのベースカバーに入った中嶋にボールを投げた。 アウッ! 審判のジャッジを見て、石田は安堵の表情を浮かべ、次いで左肩を押さえてうずくまった。 村上「竜!!」 村上をはじめ、内野手全員が駆け寄ってくる。 球といっても石と同じだ。 当たると相当痛い。 石田の肩は変色していた。 監督が石田を引っ込めるように言ったが、 「こんなとこで終われないんですよ。約束…しましたから。」 「必ず、勝つって。」 石田は苦悶の表情を浮かべながら、監督に言った。 [*前へ][次へ#] |