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真実に真実を重ねた真実
幽霊と俺の共同生活四十八日目


昨日は大変な目に遭った。まさか麻里奈があそこまでおかしいやつだったなんて…。いまだに俺はショックを引きずっていた。
忘れていたが、咲夜ともケンカ別れをしていらい、会話をしていない。
さらに咲夜は俺に全く絡んでこなくなった。いつもベタベタとうっとうしいくらいくっついてきていたのに、急にそれをやめた。さらに、二日前からは俺の前にすら現れない。あいつがこんなに機嫌が悪いのは初めてのことだ。
俺は咲夜がこんな感じでいる理由が分からない。いや、正確にはわかろうとしていない。なぜなら、これがちょうどいいからだ。
咲夜がいるいつもより、咲夜がいない今の方が静かで落ち着く。いつまでも寝ていられるし、好きなことも山ほどできる。いいことだらけだ。何て素晴らしい。最高だ。
なのに、言い様の無い喪失感が俺を襲った。あいつがいないから静かだが、あまりにも静かすぎる。部屋に冷たい風が流れているようだった。
「いくらなんでも…、静かすぎる…。」
俺は寂しいような、悲しいような、そんな気分になった。
床に転がっているゲームソフトが、よりいっそう寂しさを、孤独を倍増させる。テレビから流れている単調な言の葉が、さらに俺を責め立てる。
「なんなんだよ、クソッ…。」
俺はだんだんいらだってきた。なんでこんな気持ちになるんだろうか。分からない。全く分からない。
あいつがいないならいないで全く気にならないし、別に平気だ(おそらく…)。料理だって俺は作れるし、一人でも起きれる。ひまつぶしだって達人レベルだし、友達だってたくさんいる。
なのに、あいつが…、あいつがいないだけでなんでこんなにも苦しいのはなぜだろうか。

なんで…。

分からない。本当に分からない。俺はいつからこんな気持ちを持つようになった?こんな気持ちを知ったのはいつだ?この気持ちは言ったいなんなんだ?

誰か、俺を助けてくれ!
こんなどうしようもない気持ちはなんなんだ?
教えてくれ、誰か!

「それは恋だよ。たぶんだけどね。」
いきなり背後から声がした。まるで俺の心を見透かされたようだった。
後ろを見ると、淡い光と共に、鏡花が立っていた。
「き、鏡花…。」
「黙って聞いて、遊。あなたは咲夜ちゃんに恋をしてるの。」
「お、俺が…、恋?」
「そうだよ。気持ち、伝えないといけないよ。私ができなかったこと、遊ならできるでしょ?頑張ってね。それじゃ。」
言いたいことを全部言って、鏡花は消えていった。
鏡花の言葉はにわかには信じられなかった。

俺は…咲夜に恋をしているのだ


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