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天の使い魔
幽霊と俺の共同生活三十七日目


堕ちていく…。
俺は…どうなるんだ…。


俺は今日は咲夜と一緒に学校に行った。鏡花に言われた通り、一応謝ったところ、咲夜は少し驚いて、その後、申し訳なさそうに「こっちこそごめんね。」と言って、謝ってくれた。こうして俺は咲夜と仲直りをすることができた。
そして今は帰る途中だ。咲夜と魁生と二人で帰っている。
「なあ、魁生は咲夜といつも何を話てんだ?」
俺は話題も無かったので、なんとなく魁生に聞いてみた。
「そうだなぁ…。まあ、相談とかかな。いろいろとな。」
「相談?何のだよ。」
「まあ、コイバナとかな。」
「ふーん。で、本当は?」
「いやいや、マジだって。」
「嘘つくなよ。お前恋なんかしたこと無いだろ。」
「あるよ!だって俺今も恋してるもん。」
「へー。興味ないけどな。」
「何なんだよ、お前から振っといて…。なあ咲夜ちゃん。ひどい話だよなあ。」
「そうかもね。」
「なんだよ二人とも。」
「あのさ、魁生。ずっと聞きたかったんだけどさ。」
「?何だ?」
「お前って何者なんだ?咲夜が見えたり、何かいろいろ知ってたり…。」
「それは…。」
「話せない理由があるのかもしれないけど、本当のこと話してくれよ。」
「…。仕方無いな。何を言われても驚くなよ。」
「ああ。」
「実はな…、俺は元天使なんだよ、天使。」
「はい?」
「だから、俺は元々神の聖域に住んでいたんだけど、大罪を犯して地上に落とされたんだよ。」
「何言ってんだ?中二病か?」
「違うよ。俺は元天使、名前はユート。まあ、使い魔に近い存在だったんだけどな。そして17年前に大天使様を一人殺しちまって、地上に落とされた。その時に天使としての力を失った。全部本当のことだ。」
「嘘つくなよ。本当はどうなんだ?次に同じこと言ったらマジでキレるぞ。」
「本当なんだよ!この前悪魔のジュードって奴に会って言われたんだよ。それは確かに信憑性のあるものだった。」
「じゃあ、実際に本当だと仮定して、俺にそれを信じろって?無理だろ。いくら親友だからって無理があるよ。」
「でも…。」
「話がぶっ飛びすぎだ。訳わかんねぇぞ。中二すぎるし。」
「まあ、そうだよな。それが普通の反応だよ。」
魁生はそう言うと少し寂しそうにうつむいて、何かをボソッと呟いた。それは俺にも咲夜にも聞き取ることが出来なかった。


魁生の謎の言葉が気になったが、俺と咲夜は追及しなかった。少しだが、魁生との距離が開いた気がした。


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あきゅろす。
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