[携帯モード] [URL送信]
ルームメイト2@



むぁっとした空気に包まれ、俺は家路へとだらだら歩いていた。
電車の中は満員で熱気があったものの、冷房のおかげで外よりは涼しかったのに。気温差が激しく、歩くのがたるい。しかも残業続きで疲れているのだ。
そんなくたびれた俺を出迎えてくれたのは居間でぐーすか腹を出して寝てる…ではなく、台所の冷蔵庫に頭をつっこんで涼んでいる同居人だった。
取り敢えず全力でスライディング足払いをして、バランスを崩して倒れ込んだ奴の背に肘を入れてやった。所謂エルボードロップというやつだ。まあ、俺はそんなにプロレスに詳しくないが、大体こんな名前ではなかっただろうか。
ぐおあっ!と声を上げる奴に止めとばかりに背を踏んで起き上がれないようにして、冷蔵庫の扉を閉めた。

「よぉ、てめぇ今何してやがった」
「お、お疲れ様です。見て分かる通り暑いから冷蔵庫に頭突っ込んでました」
「……いつからだ?」
「えぇと、うーんと、ほんの5分前、かな?」
「……ほぅ」
「だ、だって…こんなクソ暑い日にエアコン壊れて死ぬかと思ったんだもん!業者さんが夏休みなんてしてるからすぐ直らないし…!」
「それは知っている。朝聞いた。で、朝開店同時に電気屋に扇風機を買いに走ったってメールくれただろうが。それはどうした」
「生温い風が来るばかりで満足出来なかったから、度々冷蔵庫で涼んじゃった。ごめんねちよちゃん☆」

イラッ。
遠慮なく、奴の背に乗せた足に全体重をかけてやった。



.


[前へ]

[次へ]



あきゅろす。
無料HPエムペ!