ルームメイト2A 「ぎゃああああ!!千代、痛い!」 「て、め、ぇ、は………馬鹿かこの野郎!!!」 しかもさっき聞き捨てならん事に、度々って言わなかったか?度々ってなんだこの野郎。 電気代は嵩むし、何より中に入れてるものが傷むだろうが阿呆かこいつ。まじいっぺん豆腐の角に頭ぶつけて記憶喪失になってまともな道に戻ってみろってんだ。 「ぎゃああああっ!ごめ、ごめんなさいっ!許してぇ!」 部屋中に美幸の声が響いた。ああ、このマンションが防音完備で良かったぜこんちくしょう。 −−−結局、馬鹿な同居人の所為で食材が駄目になってしまっていたものがあったので、それを奴に取り除かせた。俺はというと、扇風機の前で涼んでいる。 買物前で、あまり物を入れてなくて良かった。これでいっぱい駄目にしたら俺はキレるぞ。や、さっきキレたけど。 「………ああ、クソ暑い…。美幸の所為で無駄な体力使った。馬鹿、馬鹿、馬鹿、ばーか…」 「ごめんなさい、千代様。今月の食費は俺が全部出させてもらいま「馬鹿野郎、」」 「うぇ?」 「そーゆー問題じゃないんだよ」 「う、うん?」 「…もうしないって誓えるんならいいよ。今回だけ許してやる」 「千代っ…!」 「だからアイスと飯買ってこい。お前の所為で買物に行く気にも作る気も失せたからな」 「すぐ行ってきます!千代大好きありがとっ」 「へいへい。気をつけて行けよ美幸」 「いってきまーす!」 元気よく出かけていく美幸の背に軽く手を上げ送り出した。 早く業者の夏休みが終わってエアコン直してくんないかな。俺の為にもあいつの為にも。 因みに買物に行ったコンビニで2時間も涼んできたあいつに、本日二度目の俺の鉄槌が下ったのは言うまでもない。 . [前へ] [次へ] |